2018年度 活動レポート 第316号:宮崎大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第316号

インドネシア国のリアウ大学工学部と実施したさくらサイエンス
-先進的な海岸環境修復技術を学ぶ-

宮崎大学工学部国際教育センター
教授 村上 啓介さんからの報告

インドネシア国のリアウ大学工学部および大学院生(学部生8名、大学院生2名)がさくらサイエンスプログラム(科学技術体験コース)で来日し、2019年1月20日から1月29日までの10日間、「先進的な海岸環境修復技術を学ぶ」と題した研修を行いました。

初日の午後に日本科学未来館を訪問し、2日目の午前中に港湾空港技術研究所(国立研究開発法人;横須賀市)を訪問しました。大規模実験施設を見学するのは初めてということで、説明担当者に数多くの質問をしていました。その後、宮崎に移動しました。

港湾空港技術研究所にて

3日目の午前中は、宮崎大学工学部国際教育センターにて学部と大学院の教育プログラムの内容、留学生の受け入れ態勢等について説明を受け、その後に研究室見学を行いました。午後は、工学部長の表敬訪問、今回の研修に関するオリエンテーションを行いました。その後、学内カフェテリアで歓迎会を実施しました。歓迎会にはインドネシアからの留学生を招き、宮崎での生活や勉強、研究活動について情報交換をしました。参加した学生の中には日本への留学を希望する者もおり、有益な情報交換ができました。

4日目と5日目は、海岸環境修復技術に関する講義を受けました。4日目は、海岸波動と漂砂現象の基礎的事項、波動数値シミュレーション技術について学びました。また、6日目に海岸環境修復プロジェクトの現場を訪問するので、その内容について説明しました。

海岸環境修復技術に関する講義

5日目の講義では、インドネシアでのプロジェクトに精通した中川康之教授(九州大学)を招き、海岸侵食メカニズムや先駆的な対策技術について学びました。

6日目は、海岸環境修復プロジェクトの現場を訪問し、サンドパック工法や養浜工法の実施状況や効果について理解を深めました。学生は日本の海岸や港湾の現場見学をするのは初めてで非常に興味深かったようです。

海岸環境修復プロジェクトの現場にて

7日目は、漂砂現象の外力となる波動運動に関する水理模型実験を行いました。波動下での水粒子運動を理解するとともに、波浪制御構造物の機能を比較しました。

波浪制御構造物の機能を比較

8日目は、日向灘海岸の見学と日本文化の体験をしました。岩礁海岸に掘り込まれた鵜戸神宮を訪れ、ユニークな日本文化の一面を理解しました。

9日目は、今回の研修で学んだ最新の海岸環境修復技術について取りまとめ、パワーポイントを用いて各学生が発表を行いました。また、修了式を開催して修了証書が学部長から授与されました。その後、東京に移動して翌日に帰国の途に着きました。沿岸域や流域の開発による海岸侵食問題はインドネシアでも顕在化しおり、本研修は参加学生にとって有意義なものとなりました。

本研修を通じ、リアウ大学との学生交流が更に強化なものになりました。全参加学生の中には宮崎大学への留学を希望する者もあり、このような機会を与えて頂いた「さくらサイエンスプログラム」に深く感謝いたします。

修了式にて