活動レポート

2018年度活動レポート(一般公募コース)第297号

カセサート大学と国立台湾大学との国際共同実践型環境教育プログラムの実施

岡山大学からの報告

 平成30年8月30日(木)から9月8日(土)にかけて、岡山大学環境理工学部では、岡山大学の学部生14名に加え、タイ王国のカセサート大学から学部生5名および教職員3名、台湾の国立台湾大学から学部生5名および教員1名を迎え、国際共同実践型環境教育プログラムを実施いたしました。

 このプログラムでは、3カ国の学生が一つのクラスで環境学の基礎的な知見に関する講義と実践型環境教育の実習を受けることにより、お互いに異なる国にて生じる環境問題の現状と解決法を英語で学ぶことを大きな目的としています。また、それとともに、英語によるコミュニケーション能力及びプレゼンテーション能力の向上や互いの国の歴史や文化、すなわち異文化を学び、グローバル感覚を身につけることも大きな目的としています。

集合写真
(プログラム1日目、開講式にて)

 本プログラムに先立って、8月にカセサート大学にて「グリーンエコノミー(Green Economy)」と「足るを知る経済(Sufficient Economy)」とをテーマとした国際環境教育プログラムが実施され、岡山大学からは7名の学生が参加しました。このとき、ともに学んだカセサート大学の学生が、今回は岡山大学での本プログラムに参加しました。これに加え、本年度から新たに岡山大学の学生を国立台湾大学へ派遣するプログラムが開始され、同じく8月に岡山大学から7名が、国立台湾大学の学生5名とともに水資源システムの総合的理解、水資源管理の問題と持続的開発に関わる問題解決をテーマとした実践教育を受けました。

 8月30日に開始した本プログラムでは、初日に開講式とオリエンテーションを行った後、翌日から日本の自然と文化、日本語(初級)、水循環、リモートセンシングなどについて、主に岡山大学の教員を講師として講義を行いました。また、中国四国農政局から農地整備に関する専門家を招き、「環境と食料」をテーマとして、日本における食料生産基盤の現状に関する講義を英語により実施しました。受講生は、各大学の紹介と各国の環境問題の現状に関するプレゼンテーションを、大学別に分かれて英語で行いました。

 第1週末の9月1日(土)には、午前中に、大学院生主催の自主セミナーに参加し、午後からは、岡山南部の玉島地区において課外研修として環境保全活動を視察した後、日本の伝統文化の体験実習も行いました。

日本の伝統文化の体験・実習(ダルマづくり)
(プログラム3日目)

 第2週には、農地の土・水管理、エネルギーと環境、水生動物、地域資源管理、水質問題と処理技術などについての講義を行うとともに、中国四国農政局岡山南部農業水利事業所のご援助をいただき、岡山南部地区における農地や農業関連施設の視察を行い、日本の農業を取り巻く環境問題についての知見を深めました。また、各大学の学生と混成チームを組み、チーム別にこれらの講義、課外実習等で学んだことを取りまとめ、水環境問題に関するプレゼンテーションと討議を英語によって行いました。

講義「水生動物学」
(プログラム5日目)
「水環境問題に関するプレゼンテーション」にて
(プログラム7日目)
課外研修(吉井川新田原井堰)
(プログラム8日目)

 最終日の9月7日には、コース評価のための筆記試験を行い、閉講式を挙行して、本年度のプログラムは完了いたしました。

 なお、本年度は、プログラム第6日目の9月4日は、台風21号の接近の影響で暴風警報が発令されたために、当日の午前の講義と午後の現地調査を中止せざるを得なくなりました。また、台風の影響に伴う関西空港の閉鎖等で帰国便を変更せざるを得ず、タイと台湾から来日された教職員と学生の皆さんは岡山での滞在期間を延長することになりました。しかし、延長された滞在期間中に、学生同士、教職員同士でそれぞれ交流を深めることができ、例年にない貴重な経験ができたと思います。さくらサイエンスの事務局の皆様には、予期しなかったトラブルにも迅速に対処していただき感謝しております。

 講義あり、実験あり、学外研修あり、また思わぬ台風の来襲ありの盛りだくさんのプログラムでしたが、プログラム実施後のアンケートでは、好意的な回答を多数いただきました。

 参加してくれた各国の大学生が、将来、環境問題に取り組むエキスパートとして、アジアだけでなく世界で活躍することを願っています。

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