2018年度 活動レポート 第261号:福岡アジア都市研究所

2018年度活動レポート(一般公募コース)

アジアのリーダー都市をめざす福岡市における大学の研究力と留学生の活躍を学ぶ

福岡アジア都市研究所からの報告

中国科学技術部派遣の江西省井岡山地区の優秀な高校生一行16名(3校、含引率者)を、2018年11月11日から8日間の日程で福岡市に招へいしました。内陸地区の高校生たちに、日本の大学の進んだ研究や教育を学んでもらうと同時に、中国人留学生OBたちの活躍ぶりを直に見聞きすることを通して、日本への理解を深め、日本留学へのモチベーションの向上につなげることが目的です。

高校生たちは、九州大学の水素エネルギー国際研究センターを訪問し、中国人教授から「水素エネルギー研究の現状と展望」をテーマにした講義を受け、水素自動車展示室と水素貯蔵タンクを見学しました。EV車が勢いを増すなか、生徒たちは水素エネルギーを利用した新しい研究開発を身近に体験することができました

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九州大学水素ステーション

また、留学センターの中国人教授からは「九州大学の国際化」というテーマで日本留学の魅力に関する講義がありました。高校生たちは教室で熱心に質問し、終了後のアンケートでは全員が将来大学院生として日本に留学したいと回答しました。

次の福岡工業大学では、半導体技術研究所・先端測量研究センターを訪問し、中国人教授からナノ技術研究の現状と3D画像形成及び用途について詳しく紹介を受けました。充実した先端研究実験施設設備と学生がそれらを自由に利用できるシステムは高校生たちにとって非常に羨ましかったようです。

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福岡工業大学

また、大学の付属高校では、世界大会に出場する高校ダンス部員の歓迎を受け、教室や実習室、茶室を見学し、同年代の日本人高校生たちと長時間にわたって活発に交流しました。中国高校生の勉学ぶりと学力の高さ、日本人高校生の豊かな個性と豊富な学習プログラム、お互いにいい刺激を受けたようでした。担任の先生からは、来年もぜひ学校に来てくださいと要望されました。

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福工大付属高校での交流

久留米大学では、学長表敬を行ってから、先端癌治療研究センター所長から「がん治療研究最前線」の講義を受け、癌の免疫治療について学びました。また、大学病院の高度救命救急センターでドクターヘリを観覧し、日本の先端医療体制に直に触れることができました。特に国民皆保険で必要な治療を必要な時に速やかに安心して受けられる日本の現状に皆さんが深く感銘を受けていました。

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久留米大学ドクターヘリ

西日本工業大学では、デザイン学部を訪問し、「デザインの可能性と実用性」について学び、工房に入って3Dプリンターを使ってキャラクターづくりを体験しました。

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西日本工業大学

福岡には数多くの大学が立地し、新エネルギーや電子及び先端医療等の分野において注目すべき研究成果を上げています。また、福岡では長年にわたり中国をはじめとするアジアから多くの留学生も受けて入れており、卒業生たちが現在各々の研究開発領域で活躍しています。学習意欲の高い中国の高校生たちが、福岡での研修訪問を通じて、自らの人生設計に大きなインパクトを得たことを、SNSで公表された感想文や報告に書いています。