活動レポート

2018年度活動レポート(一般公募コース)

相互の理解を深める漢方医学と中医学の情報交換と交流

東邦大学医学部東洋医学研究室
准教授 田中 耕一郎さんからの報告

 2018年8月27日から9月2日の期間に、中国青海省チベット医薬学会所属の教員5名を招へい致しました。今回の目的はチベット医学の教員の方々に、日本の東洋医学の現状を知って頂くことと、チベット医学の概要、薬物についての意見交換を行いながら、相互の理解を深め、今後の研究活動にも繋げていくことにありました。

写真1 東邦大学医学部正門にて

 訪問施設としては、東邦大学医学部、附属の本院である大森病院並びに東洋医学科、薬学部生薬学教室、そして慶応大学医学部漢方医学センター、神奈川衛生学園専門学校東洋医療総合学科、横浜薬科大学薬学部としました。

 東邦大学医学部には、東洋医学研究室が独立設置されています。医学部長、病院長からの挨拶に始まり、東洋医学研究室より、日本の東洋医学の現状、東邦大学における臨床・教育・研究の現状を講演致しました。チベット医薬学会からは、チベット医学の基礎理論についての講義あり、伝統を重んじ、忠実に継承している様子が伝わってきました。

写真2 東邦大学医療センター大森病院病院長/医学部長

 東邦大学の附属の本院である大森病院では、受付業務、救急、特別室、PET、患者用図書室、心臓血管外科、東洋医学科などを紹介しました。

 また、東邦大学医学部薬理学講座に訪問し、研究について紹介をしています。東邦大学薬学部では、生薬学講座と薬用植物園の、薬学教育(調剤実習、vital signの取り方の実習など)を紹介しました。

写真3 東邦大学薬学部生薬学研究室教員メンバーと

 慶応大学では東洋医学でも日本における漢方医学の特徴は何かについて講演を行いました。また、開設間もない新病院の案内を致しました。

写真4 慶應義塾大学医学部漢方医学センターにて

 神奈川衛生学園専門学校東洋医療総合学科では日本の鍼灸の臨床、教育の現状(中国では漢方と鍼灸は同一施設で教育が行われている)の講演と施設案内がありました。特に図書館にはチベット医学の蔵書も見られ、訪問団は聖典にあたる四部医典のチベット語版が日本にもあることにいたく気持ちを動かされたようで、しきりに目を閉じて拝まれていました。

 横浜薬科大学薬学部は漢方の研究に力を入れている有数の大学であり、中国からの教員も所属しています。そこでは、薬学部より日本の漢方エキス製剤における同名だが、成分に相違がみられる点についての紹介があり、チベット医薬学会からは、鉱物薬の加工と使用についての紹介があり、大変勉強になりました。

写真5 横浜薬科大学薬学部にて

 日本未来科学館にも最後に訪問し、日本の今後のロボット技術などに触れることが出来ました。

 夏季の高温多湿は、高山地帯に住むチベットの方々にはかなりきついものであったと思われますが、幸いメンバー全員が体調を崩すことなく、訪問期間を終える事が出来たことに安堵しています。

 今後の課題としては、中国語通訳は適宜つけたものの、日本語、英語での直接のコミュニケーションが多くの日本側教員にとってとれず、内容によっては十分に議論できなかったことです。

 このような貴重な機会は、さくらサイエンスプランがなければ実現できなかったことであり、この場をお借り致しましてお礼申し上げます。

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