活動レポート

2018年度活動レポート(一般公募コース)第255号

アジア発ケイ素科学グローバルリーダーの育成を目指して

群馬大学からの報告

 一部地域では積雪のニュースもあった2018年12月中旬、常夏の国タイから11人の若手教員と学生が桐生市の群馬大学理工学部に到着しました。今回来訪したのは、タイ・マヒドン大学理学部化学科に属する7名の教員(准教授・講師・助教授)と4名の大学院生です。教員はいずれも海外の大学で学位をとった後、マヒドン大学に戻って教職についており海外体験は豊富ではありますが、日本への来訪は初めてとあって、学生とともに終始目を輝かせながら賑やかに行動していました。9日間と限られた時間ではありましたが、以下のプログラムに従い有意義な時を過ごせたようです。

<群馬大学未来先端研究機構国際シンポジウムに参加・発表>

 12月18日から19日にかけて実施された表記国際シンポジウムにおいて、2件の講演並びに7件のポスター発表を行いました。本学会には海外から6名の著名な研究者を招待することができ、また学内からも多数の参加(参加者総数137名)があり、週後半にかけて実施した共同研究およびその打ち合わせに向け、有用な研究成果の交換をすることができました。

写真1 ポスター会場は群馬大学創立時に建立された記念館
写真2 ポスタープレビューの発表を行う院生

<研究打ち合わせ並びに共同研究>

 来訪した教員・院生のそれぞれの研究分野(ケイ素化学、フッ素化学、有機金属化学、有機構造化学、計算科学)によって、群馬大学の理工学府に所属する4つの研究室・教員との研究打ち合わせ・共同研究を行いました。ケイ素化学では海野・武田・Liu研究室において議論を行い、いくつかの化合物の構造決定について群馬大学で行うことが決まった他、お互いの研究テーマについてディスカッションを行いました。フッ素化学は網井・杉石研究室で、合成方法などの検討を行いました。有機金属化学、計算科学についても、上野・村岡研究室、工藤研究室において、共同研究に向けた議論を行いました。

写真3 学生実験を見学。学部学生と英語で会話
写真4 ディスカッション風景。画面中央はPaul Lickissインペリアル・カレッジ教授

<企業見学>

 今回来訪した研究者の多くはケイ素化学の研究を行っていますが、群馬県には世界4大ケイ素企業のうち2つの企業の研究所があります。そのうちのひとつ、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズの中央研究所がある太田を訪問し、付設の工場見学と製品開発などの講演、研究員とのディスカッションを行いました。タイにもケイ素化学の工場はあり、信越化学工業・モメンティブの生産拠点も存在しますが、多数の製品を開発する工場を見学する事ができた今回の訪問では、非常に得られるものが多かったようです。

写真5 モメンティブ工場見学

<日本文化と自然に触れる>

 最近タイからの観光客は増加していますが、やはり東京・京都などの都市部に偏在しているようです。今回は都市部からは余りアクセスの良くない日光の史跡を訪問するプログラムも加えました。桐生からはバスで1時間半程度でアクセス可能であり、幸いシーズンオフだったこともあり予定通り東照宮、中禅寺湖、竜頭の滝、華厳の滝を回ることができました。特に東照宮は平成の大改修を終えたばかりであり、金と白の眩しいばかりの建物に圧倒されていたようです。また、前週に降った雪のため、竜頭の滝の遊歩道には積雪が残っており、雪を見たことがない若者たちは交代で寝転んでみるなど、楽しく時間を過ごしていました。

 短い時間ではありましたが、研究、日本の自然と文化、化学工場見学など贅沢なプログラムを一つのトラブルや事故もなくこなすことができました。タイの気候を連れてきたわけではないのですが、滞在中は12月とは思えない暖かい日と晴天に恵まれていたことも付記したいと思います。。

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