活動レポート

2018年度活動レポート(一般公募コース)第239号

震災復興における環境・防災に配慮した未来志向型社会づくりに関する学術交流

東北大学からの報告

 さくらサイエンスプランの支援のもと、2018年10月14日から10月23日にかけて東北大学大学院工学研究科に南京大学から6名を招へいし(学生5名と教員1名)、「震災復興における環境・防災に配慮した未来志向型社会づくり」をテーマとした共同研究プログラムを実施しました。

写真1 東北大学青葉山キャンパスにて

 本プログラムでは都市計画、環境計画管理、環境科学、海洋科学、材料科学を専攻する幅広い分野から学生を招へいし、土木工学専攻環境保全工学研究室で環境微生物技術を応用した省エネ・創エネ型排水・廃棄物処理に関する最先端の研究に触れるとともに、東日本大震災を経験した東北大学で取り組んでいる最先端の工学、環境科学、災害科学分野の研究および現場見学を通して、未来志向型の社会づくりに向けた社会実装の取り組みを学び、南京大学と東北大学の学際交流の促進を図りました。

 成田空港から入国し仙台に到着した後、プログラム2日目に東北大学副学長を訪問することができ、南京大学と東北大学の大学間の今後の学術交流協定関係の強化に向けた有益な機会を設けることができました。また「近代中国の父」と呼ばれる魯迅が仙台で学んでいた際に使用していた階段教室などの魯迅の縁の地を訪問し、魯迅の留学の足跡を辿りながら小説「藤野先生」を思い出し、和やかな雰囲気で今回の交流活動の歩を進めることができました。その夜には歓迎会を開催し学生間の交流も大いに深まりました。

写真2 東北大学片平キャンパス魯迅の段階教室の見学

 その後は仙台市周辺の環境保全施設の見学や東北大学青葉山キャンパスを見学、東北大学で行っている環境工学、災害科学に関する最先端の研究成果の講演を通して、工学・環境科学・災害科学の異なる分野を融合した未来志向の社会づくりの概念、中でも適切な資源循環とクリーンエネルギーの生産および安心な衛生環境、複雑化・多様化する自然災害に対応できる持続可能な社会づくりの理解を深めていきました。また津波被災地訪問の途中に立ち寄った「日本三景」松島の視察も含め、豊富なプログラムの内容を満喫していました。

写真3 ジェイネックスバイオプラントの見学

 成田空港から帰国する前にはつくば市にある国立環境研究所を訪問し、環境保全工学研究室の卒業生である胡博士から国立環境研究所の日本における水環境の保全・再生や廃棄物の資源循環に関する国際的研究活動拠点としての役割について紹介して頂き、途上国に適応可能な未来志向の生態工学技術についても学ぶことができました。

写真4 国立環境研究所の見学

 今回の交流事業では震災復興、防災、環境のテーマから未来志向型の社会づくりについて南京大学と東北大学の学生間で様々な意見交換がなされました。招へい者からは「日本の廃棄物処理の発展と未来、排水・廃棄物処理技術について深く学ぶことができた」、「仙塩浄化センターは単純な排水処理施設ではなく、高度な技術を統合して汚泥を資源として有効利用を図っている」、「震災復興の過程で災害に強い社会であるとともに環境に配慮した低炭素・循環型社会の構築に配慮していることを学んだ」と感想を頂き、今回のプログラム内容に満足して頂けたと思っています。

写真5 仙塩浄化センターの見学

 本プログラムの開催は南京大学と東北大学の今後の学術交流の促進にも繋がる有意義なものであり、このような貴重な機会を提供して頂きました「さくらサイエンスプラン」ならびに関係者の皆様に感謝致します。

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