活動レポート

2018年度活動レポート(一般公募コース)第232号

根拠に基づいた健康的なコミュニティづくり

名古屋市立大学看護学部からの報告

 名古屋市立大学では、「根拠に基づいた健康的なコミュニティづくり」をテーマとして、モンゴル国立医科大学(モンゴル)とパーツ大学(東ティモール)の学生と教員を招へいし、2018年10月21日から10月28日の日程で8日間の研修を行いました。

 このプログラムでは、テーマに基づいて健康のための多様な資源と、保健、医療、介護、福祉に従事する専門家の役割を学ぶことを目的としました。将来それぞれの国で、保健医療のために貢献する参加者らが、日本がどのように健康的な社会を達成したかを学ぶことができる機会を提供しました。

【1日目】10月21日(日)

 モンゴルおよび東ティモールから、中部国際空港に到着しました。

【2日目】10月22日(月)

ランチタイムプレゼンテーション

 それぞれの国の文化や看護、医療福祉に関する説明を行いました。本学部学生からは、健康課題は何か、看護学部における男性割合などについて質問があり、活発な意見交換が行われました。

写真1 ランチタイムプレゼンテーションの様子
学長表敬訪問

 名古屋市立大学理事長 郡 健二郎学長に、表敬訪問し、モンゴルと東ティモール各国から学長に記念品が贈呈されました。この時の様子は地元紙に掲載されました。

医学部公衆衛生学教室の訪問

 本学の医学研究科における公衆衛生学の位置付けとその取組みについて学びました。

写真2 名古屋市立大学大学院医学研究科公衆衛生学分野の鈴木貞夫教授のレクチャーを受ける様子
ミニレクチャー

 教員や学部生を対象にパーツ大学2名、モンゴル国立医科大学2名の教員の研究テーマを発表し相互交流を行うためのセミナーを開催しました。

【3日目】10月23日(火)

名古屋市衛生研究所

 名古屋市衛生研究所は、市民の健康を守るための科学的拠点として、感染症対策・食品・生活環境などの分野で検査業務や調査研究を行っています。今回のプログラムでは、母子保健、感染症発生動向調査、サーベーランスデータに関する講義を受け、感染症に関する討論を行いました。質疑応答では、東テイモールでは、ゴミ問題、食品問題、下痢、結核、HIVに関する課題が、モンゴルでは、大気汚染に関する課題あり、それぞれの解決策について積極的に意見を求めていました。

写真3 名古屋市衛生研究所でお世話になった先生方と記念撮影

【4日目】10月24日(水)

訪問看護、在宅診療などの研修

 愛知国際病院は日進市にある私立病院で、地域医療を支える規模が小さめの病院として分類されており、地域住民が自宅・地域で過ごすことを応援することを掲げています。今回のプログラムでは、特に「コミュニティベースの保健医療を理解する」部分を訪問目的としました。

 一般病棟、外来、ホスピス、地域医療連携室、訪問看護ステーション、老人保健施設の6部署の医師もしくは師長の説明を受け、質疑応答を行いました。参加者らは一般病棟の患者さんの平均年齢が80歳代であることに驚き、また、患者さんには日常生活が自分でできない方も多いということがはじめは理解できない人もいました。医師が説明した「dementia」についての質問や、予後が短いと診断された人が亡くなるまで病院に入院し続けていることへ疑問もあがりました。

 その後、各部署での体験を通し、最後の振り返りでは、医師、看護師をはじめ多職種が協力して包括的なケアを行っていることや、ボランティアが各所で活躍していることなどが印象に残った点として挙がりました。

写真4 高齢者体験の様子

【4日目】10月25日(木)

名古屋市中保健センター

 名古屋市中保健センターの4か月乳幼児健康診査に参加しました。まず初めに平田保健所長より、日本、名古屋市における母子保健対策の現状、乳幼児健診の意味づけ、現在日本で問題となっている虐待をはじめとする母子保健の課題について説明がありました。参加者は、健診の高い参加率や健診の案内を個別に全家庭に送るシステムなどに大変感銘を受けていました。

野宿者支援

 若宮大通公園にてNGOささしまサポートセンターの行う野宿者支援を見学しました。主に食事配給や無料医療相談場面を見学し、日本人野宿者の暮らし方やサポート体制等について説明受けました。参加者らは日本の野宿者がほとんどで男性であることに驚いていました。東ティモールとモンゴルでは野宿者の多くは女性や子どもであり、このような違いやサポート体制の比較について質問をしていました。参加者は、自国にこの様なサポートがないため、今後自国に導入したいと意見を述べていました。

【5日目】10月26日(金)

講義参加「国際保健活動論」

 看護学部2年必須科目である「国際保健活動論」でグループディスカッションを行いました。2年生が6-7人の小グループとなって分かれ、その1グループずつにモンゴルと東ティモールの参加者が1名ずつ加わって、生活のこと、保健のことなど話し合いました。看護学生の方からは「お金を使わずに健康的な国にするためにはどうしたらいいか話し合った。」「国を変えたいと願う想いは強く伝わってきた。」などの感想が挙げられました。

写真5 「国際保健活動論」講義後,看護学部2年生とともに
成果報告会と修了証授与式

 人文社会学部と経済学部との合同主催で成果報告会を実施しました。参加者は、総勢36名でした。成果報告会終了後、修了証の授与式を行い、各国研修参加者へ修了証と記念品の授与が行われました。その後、研修参加者と名古屋市立大学教職員・学生らによる懇親会を行いました。懇親会では、食文化や自国の文化等について活発な意見交換がなされ、それぞれに親交を深めることができました。

【6日目】10月27日(土)

名古屋市科学館の見学

 名古屋市科学館には看護学部生4名が研修生に同行し、科学館までのガイド、管内での通訳を担当しました。科学館で人気が高かったスペースの一つに、竜巻ラボがあり、人工的に竜巻そっくりの空気の渦をつくり出すことができる実験装置に相当驚いていました。ミニチュアで名古屋が見られる展示、日本家屋の展示があるところ、日本の家や世界各国の民族衣装が設置してあるコーナーもみな大変興味をもって見学をしていました。科学博物館には中部国際空港の模型、実際に体験して動かせる装置だったりと幅広い年齢層に対応した工夫が施されており、学生達も喜んで触ったり写真を撮ったりしていました。また、名古屋市の世界最大のプラネタリウム鑑賞も行いました。中での説明もみな熱心に聞き、終わった後にはすごくリアルだった、美しかったとの感想が述べられました。プラネタリウムの大きさ、映し出される星空の迫力リアルさに圧倒されたとの感想が東ティモールの参加者から述べられていました。

【7日目】10月28日(日)

 中部国際空港から、モンゴルおよび東ティモールに向けて帰国しました。

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