活動レポート

2018年度活動レポート(一般公募コース)第169号

アジアの若者が未来型医療拠点における最先端医学研究を学ぶ

東北多文化アカデミーからの報告

 さくらサイエンスプランにより、2018年9月9日から18日まで10日間の日程で、中国、韓国、インドネシア、モンゴル、フィリピンの5カ国から14名を招へいし、東北大学医学部にてプログラムを実施しました。東北大学医学部でのプログラム実施は今回で4回目になります。

 第2日目は受け入れの先生方とともに、開会式が行われ、4年前のさくらサイエンスで来日し、現在大学院博士課程後期で研究をしている先輩による、非常にエクサイティングな研究生活の紹介スピーチがありました。また、交流支援室の教官からの大学院入学についての説明もあり、招へい者は熱心に耳を傾けていました。

 この日は、東北メディカル・メガバンクと病院の見学、そして東北多文化アカデミー教員によるサバイバル日本語の講座が行われました。

写真1 東北メディカル・メガバンク、大型コンピューター室にて

 第3日目にはてんかん学の特別講義もありました。またクリニカルスキルズラボでの体験が行われ、本物のヒトそっくりのモデルを用いたシミュレーションによる医療技術の体験をさまざまな形で行いました。

写真2 スキルスラボで聴診器の使い方についての説明を受ける参加者

 第3日目から第5日目までは、それぞれの受け入れ研究室に分かれての研修が行われました。内部障害学分野、肢体不自由学分野、病理診断学分野、微生物学分野、てんかん学分野、循環器分野それぞれに、実習やディスカッションなどそれぞれの国では学ぶことのできない最先端の医学の知識に実際に触れることができ、将来の日本での研究などについても具体的に話し合われたようです。

写真3 肢体不自由学での実習の様子
写真4 内部障害学分野でリハビリテーションの実際の様子を見学し、説明を受ける参加者たち

 東北大学での研修最終日には、招へい者による報告会が開かれました。一人一人が研修先の研究室での活動を専門的な内容も含め、要領よく自信を持ってプレゼンしていたのが大変印象的でした。共通して、研究室での温かい人間関係やお世話になった先生へ感謝の言葉が多く聞かれ、非常に満足の行く研修だったという印象を受けました。

 その後のお昼の懇親会では、受け入れ研究室のスタッフを交えて、約一週間の研修を振り返りました。参加者同士も打ち解け、つながりが強まるのもさくらサイエンスの一つの特徴だと感じられました。

写真5 発表会を終えて、ほっとした表情の参加者たちと、今回の研修を支えた先生方

 東北大学での研修終了後は、仙台市内の茶室に移動して、茶道の体験なども行いました。学術的な雰囲気に包まれた日々だっただけに、日本文化の象徴のようなお茶の体験も大変興味深かったようです。

 第7日目は、東日本大震災の震災遺構となった荒浜小学校を訪れ、津波の被害を目の当たりにし、自然災害の大きさ、そこからの復興の様子について学びました。松島も訪れ、瑞巌寺や円通院など寺院や日本庭園の美しさにも魅了されていました。松島にも津浪が押し寄せ、瑞巌寺前の杉並木が塩害で切られてしまうことになった話などに、参加者は一様に驚いていました。

 第9日目は東京に移動し、日本科学未来館を訪れました。医療のみならず、先進的な日本の科学技術の一端に触れることができたと思います。

 今回は誰も体調を崩すことなく、無事にすべての日程を終えることができました。プログラムを終えて帰国してまもなく、参加者のうちの2人がスラウェシ島での津波の被害にあいました。Facebokを通じてすぐに連絡をとりましたが、現地の状況がひどく、なかなか連絡が届かずに、毎日祈るような気持でした。ようやく連絡が届いたときの喜びは忘れられません。今回の日本での津波被害やそこからの避難などの知識が何かの役にたったかもしれないと感じています。被災地である仙台でこのプログラムを続ける意義を改めて強く感じたプログラムでした。

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