活動レポート

2018年度活動レポート(一般公募コース)第166号

第6回GNSS国際サマースクール

東京海洋大学からの報告

 今年で6回目となるGNSS国際サマースクールは、2018年7月30日(月)~8月4日(土)までの6日間、例年通り東京海洋大学越中島キャンパスで開催されました。2015年からはさくらサイエンスプランからの支援を受け、東京海洋大学海洋工学部主催、測位航法学会共催で、引き継がれています。

 世界的にも好評価が拡がり、今年は103名(非対象国からの17名を含む)もの奨学金申請が有りました。その中からさくらサイエンスプランの資金から17名、企業からのサポートで2名(さくらサイエンスプラン非対象国)、計19名の奨学生を決定しました。

 さらに海外からの自己負担による参加者8名、日本滞在中の留学生2名の参加があり、外国人が29名となりました。半数は日本人受講生を加えたいという思惑もありましたが日本人の参加者は9名にとどまりました。最終的には、外国人29名、日本人9名、計38名の参加となりました。

 また実習やグループ・ディスカッションに備え、7グループ各5~6名に分け、教室内の席を固定しました。各グループに同じ国(日本人を除いて)の受講者が2人以上にならないように配慮しました。当初より教育効果を考慮してトータルを40名以下に抑え、さらに日本人学生や若手の研究者に英語による受講と同年代の外国人との交流の推進を目途として来たのですが、ここ数年日本人の参加者数が減少してきているのはちょっと残念です。

<初日>

 初めに6日間のサマースクールのプログラムとして、毎朝8時30分開始、1授業時間が90分で終業が5時20分になることや講義や実習の概要などを紹介しました。さらにメインテーマであるGNSSの概念と、世界のシステム展開の最新状況を紹介しました。10分のブレークに続いて、初学者向けにGPS/GNSSの受信原理・位置導出原理の講義が、ランチタイムを挟んで3授業時間に亘り行われました。その後、参加者と講師陣等による自己紹介が行われ、引き続き歓迎パーティを開催し、参加者同士・講師陣と互いに親交を深め合いました。ブレーク時のスナックやランチの日替わり弁当も好評でした。

写真1 ランチタイムは特に楽しい。お箸を使うのは初めてですか?

<2日目>

 4授業時間にわたって、GNSS受信機から出力される様々なデータを用いて、正確な測位結果を得る過程について詳しく解説され、引き続き測位プログラム作成の実習が行われました。休憩の後、わが国が開発中の準天頂測位衛星システムについて解説があり、さらに屋外に移動し、同システムの配信する補強情報を使って、校舎で上空が充分に開けていない状況下での数cm精度の実時間測位を見学しました。

<3日目>

 4授業時間にわたって、GNSS受信機の動作原理に関して詳しい講義が行われました。それに先立ち、GNSSの応用例として、国土地理院の展開する、電子基準点網の状況やデータの応用例などの講義が有りました。

<4日目>

 午前は、使いやすく高性能と評判の高い測位プログラムパッケージRTKLIBの内容とその使用法について開発者自身から詳しい説明があり、各自のPCにダウンロードしてその性能を堪能しました。また、測位実習用として、参加者に最新のGNSS受信モジュールとGNSSアンテナが無償で提供されました。

写真2 折角提供された受信機もソフトがなければ働きません。上手く働いてくれれば気分も最高

 昼食後は2グループに分かれて、交互に東京湾クルーズ船上で、リアルタイムでの高精度測位実習とともに最新の航海計器の動作も見学しました。一方のグループはキャンパス内の最新ハイテク技術ECDISセンターと仮想船橋を見学し、技術の一端に触れるとともに、自らハンドルを握って東京港内の操船にチャレンジしました。

写真3 オンボード・プラクティスから帰ったグループとこれからのグループの集合写真
写真4 港内クルーズで本気でプラクティス

<5日目>

 午前中はシステム・デザインの講義とグループ・ディスカッションが行われました。7グループに分かれて問題の提起とGNSSを使った解決策を模索し、グループごと成果を発表しました。午後はGNSS受信機を各自のパソコンで実現する実習が行われました。GNSSアンテナと高周波信号用のフロントエンドも全員に無償で提供され、講師自身が開発したソフトウエアをダウンロードして、自身のPC上で、GNSS受信機の動作を体得しました。終了後はお別れパーティで、最終日を前にさらに親交を深め合いました。

写真5 う~ん!問題が難し過ぎたか!

<最終日>

 午前中はGNSS信号の脆弱性の問題、偽信号に対する対策についての講義が有り、ランチ後は最新のスマホによる高精度測位のデモがありました。その後、海外からの参加者5名により、自国および自身のGNSS応用事例・研究事情が報告されました。また、最新のGNSS受信機によるマルチGNSS測位状況に関する特別講義がありました。最後に、修了証の授与で無事スクールの幕を閉じました。その後も新たな仲間同士、別れを惜しみながらいつまでも談笑が続きました。

 GNSS技術はわが国のみちびきシステムの展開と相俟って、必須のものとなりつつあり、今後さらに重要性が高まるものと思われます。受講生の満足度は非常に高く、国際的技術貢献、国際交流の一助として、最新技術をフォローすべくレベルアップを図りながら継続的に進めて行きたいと思っています。 この活動は国際連合の下部組織である宇宙局からも高く評価されています。

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