2018年度 活動レポート 第161号:帯広畜産大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第161号

中国農業大学の若手研究者との交流 〜畜産バイオマスによるバイオガスについて

帯広畜産大学からの報告

平成30年8月20日(月)~24日(金)の5日間、本学において「さくらサイエンスプログラム科学技術体験コース」を実施し、中国農業大学より副院長(1名)、准教授(1名)、若手研究者(5名)、大学院生(4名)計11名を招へいしました。

写真1
参加者全員の集合写真

中国農業大学と帯広畜産大学環境農学研究部門の梅津研究室は、ともに畜産バイオマスを利用したバイオガスの研究に取り組んでおり、今回の招へいは、両大学の畜産バイオマスの有効利用に関する研究交流を目的としています。

プログラム初日には、帯広畜産大学の梅津教授と中国農業大学の乔玮准教授がそれぞれ日本と中国の畜産バイオマス研究の現状や課題について報告し、意見交換を行いました。

写真2
中国側の研究者による研究報告

2日目以降は、道東地域に建設されている複数のバイオガスプラント(北海道鹿追町環境保全センター、士幌町バイオガスプラント、釧路町野村牧場バイオガスプラント)を見学し、積雪寒冷地におけるプラントの特色や運転技術などを学んだ他、北海道バイオマスリサーチ株式会社・代表取締役菊池貞雄氏による北海道のバイオガスプラントの現状をテーマにした講義、両大学の最近の研究成果報告や双方の学生を中心としたディスカッションを行いました。

写真3
バイオガスプラント見学の様子

最終日には、4日間の学修成果報告及び総合討論を行った後、梅津教授より修了書を参加者へ授与し、事業は無事に終了しました。

写真4
学修成果報告の様子

今回の交流を通じて、畜産廃棄物処理後の有機物やそれらに含まれる細菌、薬剤耐性菌等による土壌汚染、特に中国の深刻な水環境汚染など畜産廃棄物に関する課題を共有し、バイオガスプラントが、それらの課題解決に非常に有効であり、畜産廃棄物由来の汚染物質を浄化し、処理残渣を有機肥料として農地へ還元することで資源の循環を実現することができる技術であるという認識を深め、両大学が今後もこの分野で研究交流を継続していくきっかけとなりました。中国農業大学はこの研究分野では世界屈指の大学であり、本学にとっても新しい知見を得ることができ、実りの多いものとなりました 。

写真5
総合討論の様子

最後に、本プログラム実施に当たり、さくらサイエンスプログラム関係者の皆様、また地域での交流に支援いただいた鹿追町、士幌町、釧路町野村牧場の皆様に心より感謝申し上げます。