活動レポート

2018年度活動レポート(一般公募コース)第117号

中国の優秀な学生が持続可能社会の実現を目指した先進的科学技術を学ぶ

中部大学からの報告

 中部大学では、「持続可能社会を実現するための環境、エネルギー、情報技術応用、生物応用等の先進的科学技術およびものづくり技術の交流発展」をテーマに、中国浙江省の同済大学浙江学院、四川省の宜賓学院の、大勢の希望者の中から上位数名の優秀な学生15人を選抜し、引率教員3人とともに招へいし、2018年7月31日~8月7日の日程で8日間の研修を行いました。

<1日目:中部大学到着 オリエンテーションと歓迎会>

 オリエンテーションでは、プログラムの説明や本学と中部地区の紹介の後、招へい学生の自己紹介を行いました。日本滞在経験がないにも関わらず、日本語が流暢な学生もいて中部大学関係者を大いに驚かせていました。

 その後、本学の特色あるキャンパス設備、図書館、民族資料博物館、不言実行館などを見学し、伝統和風建築物の茶室の他、建築学科の学生が設計、デザインしたトイレ等を見学しました。学生たちからは「キャンパスが清潔。」「設備が充実している」また「奥が深い」などの感想が聞かれ、初めて目にする日本の大学に感銘を受けている様子でした。

 歓迎会では、招へい学生の先輩にあたる同じ大学出身の卒業生で過去のさくらサイエンスプラン参加者も複数人参加し、留学の為の情報交換を熱心に行う姿が見られました。

<2日目:工学部と応用生物学部の概要を知る>

 工学部と応用生物学部の概要について学びました。工学部、応用生物学部の各学科の概要説明の後、食品プラント、植物工場、温室など応用生物学部の特徴的な実習設備の見学を行いました。

写真1 応用生物学部食品プラント施設を見学

 この日の午後は引率教員3と代表学生3名が石原修学長を表敬訪問しました。宜賓学院の環境デザイン工学を専門とする学生より、本人が描いたと言う中部大学の水彩画の贈呈が行われました。

 また「超伝導・持続可能エネルギー研究センター」、「国際GISセンター(デジタルアース研究センター)」など、本学を代表する先進的な研究設備を見学しました。「スマートグリッドシステム」の紹介では、電力を効率良く利用するシステムの説明を受け、中部大学が推進する「エコ・キャンパス」の取り組みを学ぶことができました。また太陽光パネルを見学し、温水プールに活用する取り組に大いに関心を持ったようでした。

写真2 超伝導・持続可能エネルギー研究センター実験施設

<3日目:中部電力、東邦ガスを見学>

 午前は中部電力総合技術研究所を訪問し、技術開発本部の概要説明の後、コンクリート試験室、浮体式洋上風力の水理模型実験設備、ヒートポンプ試験設備の見学を行いました。また系統実験棟では太陽光発電の出力予測技術等の紹介がありました。

 午後は東邦ガス株式会社技術開発本部、ガスエネルギー館を訪問しました。技術開発本部の概要説明の後、最先端技術を駆使したスマートエネルギーハウスを見学し、水素による燃料電池車の見学と試乗、水素ステーション整備に向けた技術開発の説明を受けました。ガスエネルギー館においては液体窒素による化学の実験デモンストレーションを見学。様々なエコ・省エネに関わるデモンストレーション機器を実際に手で触れながら、興味深く見学しました。日本のエネルギー開発に取り組む代表的な企業2社の最先端の開発の現場を見学し参加者は大いに興味を持ち、刺激を受けた様子でした。

<4日目:工学部、応用生物学部の研究室で学ぶ 午後は衣浦東部浄化センターを見学>

 午前は専門にあわせて工学部と、応用生物学部の各研究室を訪問しました。工学系を専門とする学生は機械工学科、電気電子システム工学科の機械工学実習室で旋盤、溶接、放電加工などの設備、分析計測センターでは、電子顕微鏡や核磁気共鳴装置など高度な分析や計測ができる設備を目の当たりにしながら説明を受けました。

 環境、生物を専門とする学生は、応用生物学部の応用微生物学、微生物環境浄化、寄生虫・害虫学、魚類学を専門とする各研究室を訪問し、見学及び詳しい説明を受けました

写真3 金政研究室(環境生物科学科)

 午後は衣浦東部浄化センターを訪問し、概要説明のセミナーの後、下水処理設備の見学と、下水処理する過程から発生した汚泥を乾燥・炭化することで燃料化物(炭化物)として再生する装置などを見学しました。

写真4 衣浦東部浄化センター

<5日目:さらに工学部の研究室を訪問し、詳しく学ぶ>

 都市建設工学科研究室訪問では、材料構造実験施設、居室の環境を分析・計測できる建築環境実験室、製図室、CADなどコンピュータ設備などを見学、説明を受けました。建築資料制作室では源氏物語の住まいを緻密に再現した模型が展示されており、建築学の領域の広さを感じ取ることができました。

 午後は情報工学科の画像認証を専門とする研究室を訪問しました。ロボット理工学科では、ヒト型ロボットや被災地での活動を見据えて開発中のロボットなどを体験し、さらにロボットによるサッカーの取り組みについて紹介がありました。

 応用化学科では、招へいの先輩にあたる留学生数人から、実際の留学生活や、研究活動の詳細について発表が行われました。

<6日目:トヨタ産業技術記念館の見学と名古屋市内視察>

 午前はトヨタ産業技術記念館の見学を行いました。自動車のイメージが強いトヨタではありますが、その創立は織機からであったことは印象深かったようです。自動車生産の歴史についても深く学ぶことができました。午後は先輩の留学生とともに名古屋市内視察へと移りました。

<7日目:オープンキャンパス見学と成果発表会・修了式>

 毎年行われる「夏のオープンキャンパス」の初日にあたり、午前中、各自興味・関心のある研究室を回ったり、キャンパス内各施設を自由に見学しました。他学部での日本文化体験などを通して、異文化交流のひと時にもなったようです。

写真5 オープンキャンパス(生命健康科学部)

 午後は、成果発表会を行いました。学生たちは自主的に課外時間を利用して、小グループごとのグループワークにより、事前に準備したパワーポイントを使い、発表を行いました。

 中には日本語や英語で発表する学生もいて熱心な発表が多く、このプログラムに真摯に取り組み、積極的に学ぼうという意欲をうかがうことができました。また、全員から研修の感想や、中部大学は基礎研究と応用研究がバランスよく含まれていることなど、中国の大学との様々な比較が聞けたのは、興味深いことでした。

 成果発表会に続いて修了式が行われ、参加者一人ひとりに修了証が手渡されました。

 午後6時から行われた歓送会では、セミナー担当教員や大学院生なども交え、この1週間の思い出や、留学に関する情報交換など、熱心に語り合う様子が最後まで見られました。

<8日目:帰国>

 午前9時、バスでホテルを出発し、セントレア空港に向かいました。短い滞在でしたが、バスの出発直前までかわるがわる感謝の意を述べられるとともに、留学の意志を伝えに来る学生も数人いて、1週間の受け入れの手ごたえが感じられました。その後、8日間の多忙な活動の疲れも見せず、元気いっぱい手を振る学生たちを乗せて、バスは空港へ向けて出発しました。

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