2018年度 活動レポート 第102号:東北大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第102号

中国の歯学生を招き日本の歯学研究・教育および歯科産業に関する短期研修を実施

東北大学大学院歯学研究科からの報告

東北大学大学院歯学研究科では、2018年10月11日から中国の歯科基幹校である北京大学口腔医学院、四川大学華西口腔医学院、天津医科大学口腔医学院および福建医科大学口腔医学院の歯学生10名を招へいし、日本の歯学研究・教育および歯科産業に関する短期研修を行いました。

8日間の研修期間中、東北大学が取り組んでいる歯科再生医療学の基礎研究・臨床応用・教育・実用化に関する集中講義、研究・教育・実務経験等でトップレベルを維持している災害歯科医療学に関する集中講義と被災地実地研修、クリニカルスキールトレーニング、歯科材料・器材ハンズオンセミナーなど、学生たちが受けた研修は多岐にわたりました。さらに歯学研究科や病院を見学し、日本人在学生たちとも交流を行いました。

初日の歯学研究科での集中講義では、本学の強みである歯科再生医療学に関する最新研究や取り組みについて触れることができました。また、東日本大震災以来、本学が強化し続けている災害歯科医療学について集中講義を受け、大地震・大津波発生当時の状況、歯科医療活動、復興における歯学の役割などについて勉学しました。さらに、研究環境および病院マネジメントなどについても見学しました。

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再生歯科医療学集中講義

土曜日は、東日本大震災により被災した宮城県南三陸町を訪問し、南三陸町公立志津川病院歯科部長の斎藤政二先生から、震災時の様子や災害復興の道のり、被災地での歯科活動、復興における歯科医療のあり方について講義がなされました。さらに、被災現場の見学を通じ、復興の様子、災害に直面した時、何をするべきかについて説明をしていただきました。

その後、東京に移動し、日本最大の歯科材料・器械メーカーである株式会社ジーシーを訪問しました。研究所では、歯科材料の研究開発について説明を受け、学生たちは研究所の環境の素晴しさ、社員の歯科材料開発への熱心な取り組みについて感銘を受けていました。本社の訪問では最新の歯科材料・器械の現状や販売状況について説明を受け、さらに最新歯科材料および診断用器械を用いたハンズオンセミナーに参加し、歯科材料・器械の使用方法などについて学習しました。

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株式会社ジーシー歯科材料セミナー

最終日には、日本が開発した世界初の歯科教育用患者ロボットシミュレーションシステムを用い、学生に対するクリニカルスキールトレーニングを行いました。ロボットにおける日本の最先端技術を体験する貴重な機会になったと共に、歯科教育における日本の先進な取り組みを学習できました。その後、8日間参加したプログラムで勉強した成果について発表を行い、日本人学生や他の留学生との意見交換を行うことができました。

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クリニカルトレーニングの様子
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発表会様子

交流期間中には、本プログラムが重点をおいている日本人学生との交流についても、積極的に取り組み、交流会における日本人学生および教員との意見交換、被災地実地研修での日本人学生との共学、さらに、留学生と日本人学生国際交流サークルとの交流も行い、アジア地域における歯学国際ネットワークの早期構築に大いに貢献しました。

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交流会

このような交流のきっかけを作っていただいた「さくらサイエンスプログラム」に深く感謝いたします。