活動レポート

2018年度活動レポート(一般公募コース)第072号

ベトナム・台湾の学生が持続可能なエネルギー社会のための先端分析・先端材料開発を学ぶ

関西学院大学からの報告

 2018年7月19日から7月26日の日程で、ベトナム国家大学ハノイ校、台湾・国立台湾師範大学から大学生6名、教員1名を招へいし、科学技術体験プログラムを実施しました。

<7月20日>

 午前は環境・応用化学科の壷井教授による最先端の機器分析法についての講義です。蛍光エックス線分析法と、誘導結合プラズマ質量分析法について、その原理を学びました。受講生は昨日の移動の疲れも見せず、講義を熱心に聞き入っていました。講義終了後には質問もたくさん出ました。

 午後はいよいよ実験です。3グループに分かれて行いました。台湾とベトナムの異なる出身国の学生達が、混成チームをつくって実験に挑みました。昨日出会ったばかりの学生達。英語でコミュニケーションを取り、試行錯誤しながら実験を進めました。最後にディスカッションルームで今日の講義と実験についてのまとめを行いました。緊張もほぐれ、打ち解けた様子で宿舎に帰りました。

写真1 壷井教授による先端元素分析演習の模様

<7月21日>

 SPring-8の見学です。本学着任前SPring-8に在職し、持続可能なエネルギー社会実現を目指し本学に異動した藤原教授が、大型放射光施設SPring-8やX線自由電子レーザーSACLAの施設の特徴や施設がどのような研究に使われているかの説明をしました。その後、施設で使われている装置・機器の展示物で電子の加速や放射光の発生について理解を深めました。

写真2 SPring-8訪問

 午後は、一般見学では立ち入ることの出来ない実験ホールへ。世界最高性能の分析ツールが巨大なーホール内に並んでおり、まさに日本の最先端技術に触れる機会となりました。本学理工学研究科が使用しているビームラインや台湾が使用しているビームライン、また、そこで行われている研究内容について学びました。一同、装置や研究内容の説明に熱心に聞き入り、多くの質問をしていました。

<7月22日>

 初めての来日で緊張した3日間を講義・実験と最先端施設見学で過ごした学生さんたちは、日曜日を利用して、日本文化への理解も深めるために、京都・嵐山を散策しました。案内は、自らバックパッキングで海外旅行に挑んだり、逆に、国内では外国人旅行者にボランティアで案内をしたりと、アクティブに活動している本学総合政策学部の学生グループが昨年に引き続き協力してくださいました。

 文化や自然に触れながらの交流は、講義や実験を通しての交流とは一味違う国際交流の機会にもなりました。プログラム実施期間中、日本はこれまでに無い猛暑に見舞われましたが、皆、伝統・文化を大切にしながら技術立国として存在感を示す日本を堪能した一日でした。

<7月23日>

 増尾教授による特別講義と実験を行いました。地域によらず供給される太陽光エネルギーを利用したエネルギー変換材料の有用性、課題と将来展望について受講した後、色素増感太陽電池の作成からデバイス特性までの実習を行いました。

写真3 色素増感太陽電池の作成

<7月24日>

 午前は、重藤准教授による特別講義を受講しました。講義では、物質と光の相互作用に基づいた分光法、とくにラマン分光法の原理に関する基礎知識を習得し、ラマン分光法を用いた生体試料の非破壊分析について学びました。これまであまり詳しく聞いたことがないラマン分光法について理解を深めようと、講義後、多くの質問があがりました。

 午後は、最先端の実験装置を使って、実際にラマン分光測定を体験しました。試料は生きた酵母細胞です。顕微鏡をのぞきながら、酵母の細胞1つ1つからラマンスペクトルを測定することにチャレンジしました。細胞内部のいろいろな場所で測定したラマンスペクトルの形が違うことなどを、自分の目で熱心に確かめていました。

写真4 重藤研究室でのラマン分光法測定。測定結果が画面へ表示されるのを真剣に確認していました。

<7月25日>

 午前中、本学国際教育・研究センター職員が、海外からの学生へ提供するプログラムや大学のサポートについて説明した後、大学院理工学研究科で学ぶ留学生も交え、日本での留学、研究生活についての紹介と、ざっくばらんなQ&Aセッションを設けました。招へい者からの質問が絶えず、話しきれないほどでした。

 午後は、本プログラムの集大成として、今回のプログラムで学んだことをチームごとにまとめて報告しました。昨年度までのさくらサイエンスプログラムでは、1大学が1チームとして発表しておりましたが、今回は、4つの大学から1名ずつが参加して1チームとする国際チームを編成し、協力しながら3チームがそれぞれ個性的な発表をしました。専門的な質疑応答も活発に行われ、短い期間ながら、充実した成果が得られたことがうかがえました。

 修了式では、皆の一週間の成果を称え、学部長から修了証が授与されました。送別会にはプログラムで関わった多くの人が参加し、大いに盛り上がりながら、別れを惜しんでいました。また、プログラムは1週間で終了するけれども、真の交流がこれから始まるということを確認しました。

<7月26日>

 無事故で1週間のプログラムを終え、それぞれの母国へと帰路につきました。

写真5 参加者そろっての記念撮影
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