2018年度 活動レポート 第26号:慶應義塾大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第026号

中華民國(台湾)國立清華大學化學系の大学院生との共同研究プログラム

慶應義塾大学理工学部化学科
教授 山田 徹さんからの報告

慶應義塾大学理工学部の化学系教員は、中華民国(台湾)國立清華大學の化学系教員と長く親交があり、さくらサイエンスプログラムのご支援を得て、大学院生の受け入れによる共同研究活動を展開しました。

7月2日(月)、國立清華大學の大学院生5名と引率の彭 之皓(Peng Chi-How)副教授は台北松山空港から東京羽田空港に到着、慶應の学生が空港まで出迎え、日吉キャンパス近隣の日吉国際学生寮にチェックイン、その後矢上キャンパスで協定研究生の学生証の発給を受けました。5名はそれぞれ、事前に打ち合わせた研究室に配属され、平日は配属研究室の学生とともに実験研究活動に従事しました。

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実験の様子

休日には、配属された5つの研究室の学生が輪番で東京近郊を案内しました。浅草、鎌倉やディズニーランド、また盆踊りに参加するなど英語を共通言語として双方の学生が楽しく親交を深めながら休日を過ごしました。

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盆踊りに参加したメンバー

また、7月9日(月)には、西山繁名誉教授のお世話で東京御茶ノ水の日本化学会本部に川合会長を訪ね、同会国際部のインタビューを受けました。後述のミニシンポジウムの取材も受け、同会の会報「化学と工業」誌10月号に紹介記事が掲載される予定です。その後、大学本部(三田キャンパス)を訪問しました。

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三田キャンパス訪問

7月10日(火)午後には、140名を超える参加者を集めて恒例のミニシンポジウムを開催しました。伊藤公平 理工学部長の開会のご挨拶に引き続き、國立清華大學の学生5名のほか、慶應の化学系研究室の大学院生7名、計12件の研究発表があり、プレゼンテーションやディスカッションが英語で活発に行われました。彭 之皓 副教授にも座長をお引き受けいただきました。

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ミニシンポジウムの発表者とともに

シンポジウム終了後は、会場をカフェテリアに移して交流会が開催され、さらに親交を深めました。これも参加者130名を超え、日本化学会国際部、協賛企業の東アジア担当者や旅行代理店の中国人スタッフ、外国人教員のほか中国語科目担当教授の参加もあり、英語や中国語が飛び交う国際色豊かな交流会になりました。

慶應で行っている國立清華大學との交流事業は慶應の大学院生の國立清華大學への派遣とセットで進めてきました。これまで様々な資金援助を受けながら5年間続けてきましたが、博士課程への進学や国際会議でのプレゼンテーション賞受賞、台湾からの大学院生受け入れにつながるなど一定の成果が得られています。さくらサイエンスプログラムのご支援により、両校の研究交流をベースに幅広い国際交流に展開させることができました。来年度もさらに発展させていきたいと考えています。