活動レポート

2018年度活動レポート(一般公募コース)第023号

災害ロボットの製作を通して人間社会に豊かな暮らしをもたらす科学技術について学ぶ

熊本大学教育学研究科 引地力男さんからの報告

 平成30年7月16日~22日、カセサート大学人文学部日本語学科のみなさんを本プランに招待しました。参加学生のみなさんは、将来、日本の企業で通訳として働きたいという夢を持っております。しかしながら、大学の授業を通して学ぶ日本語はじめ文化および歴史やネット上での情報収集だけで日本のことを十分学んだとはいえません。製造業の多い日本企業で働くには、科学技術についても予備知識として学んでおく必要があります。今回のプランでは科学技術に関する教材としてロボットを取り上げました。

<初日>

 まずは、ロボットは何のためにあるのかを深く考える場を設けました。すなわち、高度情報化社会、低炭素社会、少子高齢化社会など課題を自力で解決するための科学技術の在り方について、初日に「ものづくり産業の持続可能な発展を目指した日本とタイの連携の在り方」を学びました。

<2日目>

 具体的に「人間社会に豊かな暮らしをもたらすロボット技術」、「災害時に活躍するロボットの作り方」として、瓦礫下や津波にのまれた被災者救助ロボットについて学びました。その際に、チェンライ県の洞窟内の少年たちの遭難事故が発生したばかりで学生たちは身近なものとして捉えていました。

<3日目>

 これらの学びを踏まえて実際に災害ロボットを製作し、自作ロボットでロボコンを実施し大いに盛り上がりました。さらに、熊本県産のスギや熊本地震で倒壊した家屋の廃材を一部利用した円形木琴を製作し、循環型社会におけるものづくりについて考えを深めました。

写真1 瓦礫撤去ロボットの競技
写真2 災害ロボットの製作

<4日目>

 地震の被災地で復興状況を確認するために、熊本地震で被害が大きかった益城町や阿蘇地区を見学し、実際に断層帯に足を下ろして地震規模の大きさを確認しました。現場で作業する重機をはじめとする機械を確認するため、阿蘇長陽大橋から、復興工事現場を見学しながら、1日目および2日目で学習した災害ロボットを思い出し、実用化への課題について考えを深めました。

写真3 熊本地震で生じた断層の見学
写真4 化石発掘体験学習

<5日目>

 「普賢岳噴火による大津波痕の見学と津波メカニズム」を学ぶために、宇土市の国道57号線およびJR三角線沿いの津波爪跡地や平成28年6月の土砂災害の跡地を訪ね、レスキューロボットの必要性について復習しました。また、地震と地層の変化との関係を学ぶため、古代から隆起、沈降、しゅう曲を重ねてきた地層の観察や8千万年前の化石の発掘を体験できる天草市立御所浦白亜紀資料館を訪ね、猛暑の中ハンマーを振りかざし、全員が化石を発掘できました。

<最終日>

 熊本城復興現場を見学し、倒壊した石垣の復興作業を通して、材料強度学、建築学を学びました。最後は、熊本県伝統工芸館にて熊本の伝統技法のひとつである肥後象嵌や家具およびおもちゃ等の工芸品の製作手法を学びました。

 滞在期間中、昼食は、家庭科の調理室で郷土料理「だご汁」を作ったり、休み時間はバレーボールや書道およびピアノ演奏を楽しんだりと、熊本大学教育学部の学生も交えて充実したプランを送ることができました。

写真5 郷土料理「だご汁」の調理体験
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