活動レポート

2018年度活動レポート(一般公募コース)第006号

中国の学生が都市防災における既存建物の耐震改善を学ぶ

北九州市立大学国際環境工学部 保木 和明さんからの報告

 我が国では、地震大国として、これまで、災害の発生過程における人間活動と、その社会経済環境への影響の重要性、社会の災害脆弱性の変化過程に関して科学的なアプローチ、事前の改善方策や災害後の復興施策に関して総合的な防災研究等を多く行ってきました。特に建物の地震災害に対する脆弱性を総合的に診断し、安全性、快適性を備えた持続可能な社会を構築するための防災設計・計画、および災害マネジメント技術や方法論の構築に関する基礎研究を多く実施しています。

 一方、アジアの国々でも近年では多くの地震が発生しており、建物の被害も測り知れないほど深刻です。今回の交流計画では、建物の耐震診断・改善に焦点を当てながら、建物の地震対策を総合的に学習してもらい、我が国の最先端の地震技術を伝え、国際貢献を図ることを目的としました。

 今回の助成を受け、吉林建築大学から2名、中国大連民族大学2名、大連理工大学2名、四川農業大学4名、計10名の学生と教員1名が10日の共同研究活動に参加しました。

 歓迎会では、学部長の龍先生をはじめ、事務局の責任者岩田部長等も参加しました。

写真1 歓迎会にて

 プログラムにおいて、まず北九州や大学における震災教育・研究と実社会との繋がりを紹介し、 前半は主に建築物の耐震改修の科学技術の演習講義を行いました。

 講義では、主に下記のものを中心に行いました。

  1. 建物の耐震改修の必要性
  2. 建物の地震に対する安全性
  3. 建物の耐震診断手法
  4. 建築物の耐震改修の計画
  5. 耐震改善の事例及び模型学習
写真2 構造実験室の見学

 後半は現場体験及び耐震改修に関する模型実験を行いました。  熊本震災地の視察や耐震改善の事例演習を通して、震災復興や耐震改修技術を勉強してもらいました。

写真3 震災現場の見学

 また、合間を見て日本文化の体験も行い、九州国立博物館、太宰府天満宮や小倉城等を見学しました。

写真4 太宰府天満宮の見学

 修了式では、プログラムの責任者より、一人ひとりに修了証書が渡されました。

写真5 修了式

 大地震に対して大きな被害となることが予想される古い建物は、現在もなお多く残されています。大震災を防ぐため、これらの建物を地震に対して効率よく強くする方法を提案する必要があります。アジアの国々において、例えばインアドネシアや中国大地震でも、多くの建物被害を受けています。

 今回のプログラムを通して、熊本震災地の状況や日本の耐震技術について学ぶことができたと思います。これからも日本の先進技術をアジアの学生に伝えていきたいと考えています。

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