2017年度活動レポート(一般公募コース)第372号
中国の若手研究者が日本の先端農業技術を体験する
弘前大学農学生命科学部教授 張樹槐さんからの報告
さくらサイエンスプログラムのご支援を頂き、弘前大学農学生命科学部において、2018/2/3~2/10の8日間、本学との協定校でもある延辺大学から6名(内1名は同大学農学院の院長で引率者)、中国農業科学院特産研究所から2名、吉林農業科技学院から1名の計9名の若手研究者を招へいして、「日本の先端農業技術を体験する」というテーマで本事業を実施致しました。
今回の訪日を通じて、参加者の皆さんが日本の最先端農学技術を見学・体験できただけでなく、今後の大学間交流事業、特に両大学で検討していた共同研究および共同研究室の設置についての基本的合意を得ることができました。今後のさらなる交流促進が期待されます。なお、後日、共同研究室設置のための協定書への調印が正式に行われました。
1.“和牛”生産についての講義
複数の参加者の専門が畜産であったこともあり、中国でも大変有名である日本の“和牛”生産について、弘前大学農学生命科学部畜産研究室の松﨑正敏教授に講義して頂きました。その中で、特に弘前大学で行っている“アップルビーフ”や“アップルラム”に関連した研究紹介について、参加者の皆さんから活発な質疑応答がありました。
2.赤肉リンゴ“紅の夢”についての学び
弘前大学農学生命科学部附属藤崎農場において育成された、果皮だけでなく果肉まで赤い“紅の夢”というリンゴについて、その特徴や現在の生産・流通状況などを附属農場の林田大志助教に説明して頂きました。その後、果実だけでなく、それらを活用したジュースやジャムなどの加工品の試食・試飲も行いました。皆さん説明などを熱心に聞いただけでなく、美味しい青森のリンゴも大いに堪能しました。
3.“冬の農業”の見学
青森産業技術センター農林総合研究所の伊藤篤史研究員の案内で、青森県唯一の特A米“晴天の霹靂”の開発過程や生産管理技術の概要、“冬の農業”に関連した取り組みおよび関連施設を見学しました。外が一面の雪景色の中、温度などを精密に管理している温室の中で、イチゴやレタス、薬草などを栽培している施設に、来日前は連日-20℃にもなる中国東北部在住で過ごしていた参加者一同は、大変感心した様子でした。
4.日本文化の体験及び教職員との交流
引率者以外の全員が初来日ですので、日本文化も少し体験して頂きました。寒い中、温かい足湯に大いに満足したようです。また、受け入れ部局の弘前大学農学生命科学部の教職員との交流会では、複数の延辺大学卒業生が本学部の修士や博士課程に進学していることもあり、学生らの学習状況や今後の共同研究などについての意見交換を行いました。
最後に、本プログラムを支援して頂いたさくらサイエンスプログラム、そして本プログラムの申請や実施を支えて頂いた本学の教職員の皆さんに深く感謝申し上げます。