2017年度 活動レポート 第275号:東芝国際交流財団

2017年度活動レポート(一般公募コース)第275号

Toshiba Youth Club Asia (TYCA) 〜 2040年のアジアの”Vision”

東芝国際交流財団からの報告

東芝国際交流財団(TIFO)では、日本とASEANの高校生が日本に一堂に会し、日本に対するASEAN諸国の学生の関心を高めるとともに、将来のアジアの展望についてともに考える機会を提供することを目的として「Toshiba Youth Club Asia (TYCA)」を2014年度より開始しました。

第4回目となる今回は、さくらサイエンスプログラムの支援のもと、12月22日から29日の8日間にわたり、タイ、シンガポール、インドネシア、マレーシア、ブルネイの5か国から高校生9名(各国2名)と、アドバイザー5名、日本からは高校生6名および教員4名が参加しました。

期間中、参加者たちは各国混成の4つのグループ(T、Y、C、A)に分かれ、「2040年のアジアの”Vision”」をテーマに、国立オリンピック記念青少年総合センター(オリンピックセンター)を拠点として、様々なプログラムに取り組みました。

初日

ASEANからの参加者が午前中に到着。前日の深夜出発のため、多少の疲れを見せながらも、一部の参加者にとっては初めてとなる日本への期待に皆笑顔を見せていました。午後からは、オープニングセレモニーを開催。TIFO代表からの歓迎の挨拶が行われました。

2日目

まずは日本についての紹介からスタート。続いて、日本の各高校の紹介が行われました。その後は、事前課題である各自の夢や持続可能性の意味についての各自の考えについて発表を行いました。また、公募時に提出してもらったエッセイ「アジアの将来と自国の役割」を皆で共有しました。

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事前課題の発表
写真2
エッセイの共有
 

午後からは、グローバルな社会について考えを深めてもらうために、国連のSDGsについての説明を行いました。

3日目

午前中は、東京都市大学の枝廣淳子教授により、「持続可能な社会に必要な考え方」をテーマに講義とワークショップが行われました。午後一は、駒澤大学の石橋直樹講師により、「技術革新と社会の発展を考える」をテーマに講義が行われました。その後、東芝未来科学館を訪問し、最新の科学技術の他、東芝の創業者である田中久繁が製作したからくり人形の実演や、東芝が開発した日本初あるいは世界初の製品(1号機)を見学しました。

写真3
枝廣氏による講義とワークショップ
写真4
東芝未来科学館の見学
 

4日目

午前中は、循環型社会を考えてもらうことを目的として世田谷清掃工場を見学しました。

写真5
世田谷清掃工場の見学

午後からは、環境問題と経済の関係について学ぶワークショップを実施しました。このワークショップでは、福沢諭吉文明塾の塾生により開発されたゲーム型教育ツール『Logy&Nomy』を使用しました。『Logy&Nomy』はプレイする中で、「経済活動」と「環境対策」を両立させ、その相互作用と持続可能性を意識しながら自分の国を更なる発展へとどのように導いていけばよいかを自然と学習させることを目的として開発されたものです。参加者たちはゲーム感覚で楽しみながらも知識を身に着けていたようでした。

写真6
Logy&Nomyワークショップ

5日目

最終日に行われる成果発表会についてのオリエンテーションが行われ、その後、グループディスカッションを行い、SDGsの枠組みを通した中で各グループ毎に発表するプレゼンテーションのテーマ決めを行いました。

6日目

終日、成果発表会のためのプレゼンテーション作成でした。その合間に明治神宮訪問なども行いました。

写真7
プレゼンテーション作成

7日目

午前中は、この1週間で積み上げてきた学びと成果を発表する成果発表会と閉会式が行われました。各グループ毎に、共通テーマである「2040年のアジアの”Vision”」に基づいて作成したプレゼンテーションを行い、自分たちが考える将来のアジアの展望について発表しました。

写真8
成果発表
写真9
全員で記念撮影
 

以上のように1週間という限られた期間ではありましたが、高校生たちの積極的なプログラムへの取り組みとアドバイザーによるサポート、熱い討議を通し、6カ国の高校生とアドバイザーが一体となり、大きな成果を上げることができました。

参加者からは、「これまでこのような有意義なプログラムに出会えなかったので、今回参加できたことは非常に光栄だった」「忘れられない経験の一つとなった」「様々な事を学ぶことができて、本当に良い経験だった」といった感想が寄せられました。