2017年度 活動レポート 第137号:芝浦工業大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第137号

日本の建設技術に興味を持つ、優秀なマレーシアの大学生との交流

芝浦工業大学からの報告

さくらサイエンスプログラムの支援を受け、2017年10月13日~22日の日程で、マレーシアのトゥンク・アブドゥル・ラーマン大学(UTAR)のコンストラクションマネジメント(CM)学科から学生9名と教員1名を招へいし、交流プログラムを実施しました。 このプログラムは、UTARから日本の建設技術に興味を持つ優秀な学生を招へいし、芝浦工業大学(SIT)の建築生産系研究室に所属する学生と共に建築生産分野の研究・技術・建築に触れることで、お互いの建築生産に関する知識を高め合うことを目的としたものです。

プログラムの内容は、近年世界中で普及が進む「BIM(Building Information Modeling)」の演習を中心に、東京の近代・現代建築の見学、日本の先端技術の見学を織り交ぜて構成しました。

10月15日には、TEPIA先端技術館を見学し、暮らしの中で活用されたり省エネに貢献したりする日本の先端技術に触れました。UTARの学生は興味津々でそれらの技術に見入っていました。

その後、青山~原宿に向かいながら、安藤忠雄氏設計の「表参道ヒルズ」、伊東豊雄氏設計の「TOD’s表参道ビル」、丹下健三氏設計の「代々木第一体育館」を見学し、その壮大なコンセプトや細やかなディテールに関心を持った様子でした。

写真1
表参道ヒルズにて

10月16日~20日に実施したBIMの演習は、日本の代表的な住宅建築である安藤忠雄氏が設計した「住吉の長屋」を題材に、初めてBIMに触れるUTARの学生に対し、授業でBIMを習得した芝浦工業大学の学生がマンツーマンでその操作や建築の特徴を教えるというワークショップで、学生同士で仲良く進めていました。

写真2
WS初日の集合写真
写真3
写真4

学内WS

ワークショップの間を縫うように、各種の技術見学を実施しました。

17日は清水建設の協力で技術研究所を見学させていただき、日本の建設技術の根幹に触れることができました。マレーシアは地震の無い国であるため、免振技術に興味を持つ学生が多くいました。

写真5
清水建設技術研究所見学

18日は東京スカイツリーを見学し、日本の建設会社が持つ施工技術の高度さを展望台からの眺めで実感できる場となりました。

19日は積水ハウスの協力でエコ・ファースト パークを見学させていただきました。ここでは日本の工業化住宅の構造や省エネ設計について学習したのですが、展示館となっている住宅の豪華さに大変驚いている様子でした。

20日は竹中工務店の協力で高層ビルの建設現場を見学させていただきました。マレーシアで鉄骨造の建築は珍しく、カーテンウォールの取り付け方や乾式の耐火被覆に興味を持つ学生が多かったです。

写真6
竹中工務店見学

21日はこれらの成果をUTARの学生がひとりずつプレゼンテーションをする成果発表会を行いました。どの学生も何を学んだかを的確に纏めており、彼ら彼女らのレベルの高さを垣間見た瞬間でした。発表会の後はフェアウェルパーティを行い、UTARと芝浦工業大学合わせて40名の学生が別れを惜しみながら懇親を深めました。

写真7
写真8

最終発表会

写真9
フェアウェルパーティー
写真10
最後の集合写真

プログラムの期間中は雨天続きで天候には恵まれませんでしたが、UTAR・芝浦工業大学の学生双方にとって貴重な体験になったことは間違いありません。さくらサイエンスプログラムに感謝を申し上げます。