2017年度 活動レポート 第73号:島根大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第73号

インド・コーチ理工大学の学生と発光ダイオードの共同研究を実施

島根大学からの報告

2017年7月3日から7月21日の間、さくらサイエンスプログラム(共同研究活動コース)により、インド・コーチ理工大学の学生1名が島根大学総合理工学研究科に滞在しました(実施担当者 藤田恭久教授)。

インド・コーチ理工大学は島根大学と2016年に大学間交流協定を結んでいます。この交流の過程で、島根大学国際交流センターの宮坂実特任准教授がコーチ理工大学において島根大学の研究紹介を行いました。その中で藤田教授の酸化亜鉛ナノ粒子に関する研究に興味をもった学生が島根大学における研究を希望し、今回の研究交流が実現しました。

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研究室のメンバーと

プログラムの内容は、藤田教授の研究室で開発したユニークな技術である「酸化亜鉛ナノ粒子を用いた塗布型発光ダイオードの研究開発」です。

酸化亜鉛ナノ粒子塗布型発光ダイオードは、従来の単結晶を用いた発光ダイオードと異なり、安価な材料を用いて簡単な設備で作製することができます。コーチ理工大学の学生は、材料とデバイスの原理を学習し、島根大学の学生と一緒に材料の合成からデバイス作製までのプロセスを体験しました。

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デバイスの材料となる酸化亜鉛ナノ粒子を合成

また、デバイス評価、発光強度を上げる方法については、同じ研究室の吉田俊之助教とLin Jie助教の指導を受けて実験を行い、新しいデバイスの開発に挑戦しました。

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作製したデバイスの評価
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研究室のゼミで研究の進捗を報告

休日は、学生交流も兼ねて、松江城、安来市の和鋼博物館を訪問しての「たたら製鉄」の学習、出雲大社、広島市、鳥取県の大山などを訪問し、日本の文化・伝統技術、自然の理解を深めるとともに、学生同士の絆をつくりました。

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安来市和鋼博物館を見学
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出雲大社にて

最終日には、藤田教授がセンター長を務める島根大学ナノテクプロジェクトセンターが主催するナノテクオープンセミナーにおいて、プログラムの成果の発表を行いました。また、島根大学の総合理工学研究科、医学系研究科、生物資源科学研究科の大学院生がナノテクに関する研究発表を英語で行い、両校の研究交流を深めました。

最後に、国際交流センターの宮坂特任准教授からさくらサイエンスプログラムの修了証とバッジが贈呈されました。

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オープンセミナーでの成果発表とバッジ贈呈

本プログラムを通して、島根大学とコーチ理工大学の理工系部門における共同研究のきっかけとなる研究活動と学生間の充実した交流ができました。これらの成果は、今後の両校の研究交流や人材交流の発展につながるものと期待できます。

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最終日に研究室のメンバーと