2017年度 活動レポート 第7号:東京大学大学院工学系研究科

2017年度活動レポート(一般公募コース)第7号

インド社会インフラ技術を担う高度人材育成プログラム

東京大学大学院工学系研究科教授 石田哲也さんからの報告

東京大学大学院工学系研究科では、さくらサイエンスプログラムの支援を受けて、2017年6月4日から11日まで、インド工科大学ハイデラバード校、デリー校より各1名、ハイデラバード校より6名、マドラス校より2名の大学院学生を招へいしました。

インドにおける最高の教育機関であるインド工科大学から、同校教員の全面的協力を得て推薦された優秀な学生を招へいし、インド連携校と合同で開催する日印人材育成プログラムのシンポジウムへの参加、それに伴う社会インフラワークショップへも参加することによって、東京大学工学系研究科で行われている世界最先端の研究を体験することが、このプログラムの目的です。

初日の午前中にオリエンテーション、キャンパスツアーを実施し、午後には早速駒場キャンパスにある生産技術研究所の研究室数か所を見学しました。

本郷キャンパスにある、工学系研究科社会基盤学専攻の研究室の見学も行いました。参加した学生はほぼ全員が社会基盤学専攻の大学院学生であり、各自の専門分野を勘案し、関連のある研究室を選んで見学を実施したため、学生の関心も高く、本学の研究環境に大きな刺激を受けたようでした。

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研究室見学

各研究室では、在学中のインド出身を含む留学生から直接研究内容の説明を受け、参加したインド工科大学の学生が熱心に質問する姿が見られました。

研究室を見学するだけでなく、実際の授業へ参加する機会もあり、参加したイノベーションワークショップの授業では、さまざまな国からの本学留学生との親交を深め、インターアクティブな授業に大変感銘を受けていました。他にも、本学の学生とともに、各自が専門分野について発表するワークショップも実施しました。

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留学生による研究説明
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合同ワークショップ

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ワークショップで集合写真

また、首都高大規模更新工事の現場を見学し、最先端技術を駆使して行われている工事現場を目の当たりにして、強い印象を受けたようでした。

一方、初来日した学生のために、日本語教室、茶道体験、バスで都内視察など、日本の文化を体験することができる機会も設けました。

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バスで都内視察

今回の主目的のひとつであるインド連携校との合同シンポジウムは、文科省の補助事業である「大学の世界展開力強化事業」の枠組みで実施したものです。

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6月9日 IJEPシンポジウム

連携校であるインド工科大学デリー校、マドラス校、カラグプール校から教員を招へいし、日印の教育・研究連携、産官学連携に関しての講演やディスカッションを行い、参加した当プログラムの学生も熱心に聞き入っていました。

一週間という短い期間でしたが、大変密度の濃いプログラムを提供できたと思っています。参加した学生の中には、本学へ留学したいという希望も聞かれ、参加した学生と再会できる日も遠くないのではないかと期待しています。

(日印産官学連携による技術開発と社会実装を担う人材育成プログラム 英語名称:Developing Human-facing Engineers: Japan-India Industry-Academia-Government Collaborative Education Program、略称:IJEP。
IJEPの活動については、ウェブサイト(http://ijep.t.u-tokyo.ac.jp/)をご覧ください)