2016年度 活動レポート 第390号:産業技術総合研究所

2016年度活動レポート(一般公募コース)第390号

インドネシアの力・トルク標準の整備 維持 供給の高度化をめざして

産業技術総合研究所(AIST)計量標準総合センター(NMIJ)
工学計測標準研究部門(RIEM)力トルク標準研究グループからの報告

さくらサイエンスプログラムにより、2017年2月5日~2月18日の14日間、インドネシアの国家計量標準研究機関であるResearch Center for Calibration Instrumentation and Metrology, Indonesian Institute of Sciences (RCM-LIPI)の力標準、トルク標準の若手研究者1名が来日し、共同研究活動を行いました。

写真1
力トルク標準研究グループの集合写真。(訪問研究者は後段右から2人目)

NMIJ/AISTは我が国の国家計量標準研究機関であり、様々な単位を取り決める元となる、「計量標準」を開発、維持、供給している研究所です。

インドネシアの力・トルク標準の開発、高精度化、また標準供給技術の普及をはかるため、先行している日本の技術を学び、習得するため、また実際にハイグレードな一次階層の校正技術から、ローグレードな三次階層までの校正技術まで体験し、一方でインドネシアで実施している方法の情報共有をはかり、日本の校正方法の検証も行うことを目的に、共同研究を実施しました。

*カ・トルク標準研究グループ
https://unit.aist.go.jp/riem/ft-std/

滞在中は、実際に実験室にて力計やトルクメータの校正方法や品質システムを学び、また自由に討論を行いました。

写真2
滞在中は実際に実験室にて力計やトルクメータの校正方法や品質システムを学び、また自由に討論を行いました。
写真3
滞在中は実際に実験室にて力計やトルクメータの校正方法や品質システムを学び、また自由に討論を行いました。

一方で訪問研究者により、RCM-LIPIで行っている研究紹介が行われました。定格容量1 MNのてこ式力標準機の校正を、20 kN実荷重式力標準機と力計、2 tのおもりを上手く組み合わせて実施している研究が紹介され、、NMIJ側の研究者も興味深く拝聴しました。

写真4
訪問研究者によりRCM-LIPIで行っている研究紹介が行われ、NMIJ側の研究者も興味深く拝聴しました。

日本の校正事業者登録(認定)制度を学ぶため、認定機関である(独法)製品評価技術基盤機構(Website: http://www.nite.go.jp/iajapan/jcss/)を訪問し、その活動を見学しました。

写真5
独立行政法人製品評価技術基盤機構にて

また、電気量を中心とした様々な計測器の校正サービスを行っている日本電気計器検定所(Website: http://www.jemic.go.jp/)や、一軸試験機の認定校正機関でもある(株)島津製作所(Website: http://www.shimadzu.co.jp/)を訪問し、日本の代表的な校正機関、試験機・分析機器メーカを見学しました。

訪問研究者も日本の力標準・トルク標準の設定技術、校正技術を学び、また校正事業に関係する日本の産業構造を学べたことは大変有意義で有り、謝意を申し上げるとのことでした。

最後に、このような機会を与えていただいた、さくらサイエンスプログラム、訪問先各機関・企業、その他ご協力いただいた皆様に心から感謝申し上げます。

写真6
株式会社島津製作所にて