2016年度 活動レポート 第204号:山口大学大学院創成科学研究科

2016年度活動レポート(一般公募コース)第204号

熱帯性環境生物に関する国際教育連携ネットワーク

山口大学大学院創成科学研究科からの報告

山口大学大学院創成科学研究科(農学系学域)では、2016年11月21日から11月30日までの間、さくらサイエンスプログラムの支援により、タイ、ベトナム、インドネシアおよびバングラデッシュの学術交流協定校である7大学から、計16名の大学院生を受け入れました。

その内訳は以下の通りです。(タイ)カセサート大学 2名、チュラロンコーン大学 2名、コンケン大学 2名、メージョー大学 2名、(ベトナム)カントー大学3名、(インドネシア)ブラビジャヤ大学 2名、(バングラデシュ)ジャハンギナガール大学3名。

我々は、ここ約20年間に行った国際拠点交流事業等を通じて、ASEAN諸国の約40大学と熱帯性環境微生物を中心に共同研究を実施しており、熱帯性環境生物の資源開発に関する国際ネットワークの形成を推進しています。

この度は、特に、大学院に所属し、初めて訪日する留学生を対象に招へい計画を立て、先ずは本学の雰囲気と教員の研究内容を知ってもらう機会になればと思いプロジェクトを遂行しました。

来日翌日より、オープニングセレモニー、オリエンテーション、さらには、山口県セミナーパークにて本学主催で開催された第12回Young Scientist Seminarへの参加と大変多忙でした。

本セミナーには、さくら留学生含む総勢130名の若手研究者が参加し、微生物学、応用微生物学、生物工学を中心に、あらゆる生物関連分野から約100課題の発表がありました。

このセミナーで発表を行ったことで多くの知り合いができ、日本での生活へスムーズに順応することができました。

第12回YSSの全体写真

その後、サクラ留学生のためだけに企画した特別プログラムを受講してもらいました。

まずは、山口県農業試験場を訪れ、自国では見られない、とてもユニークな日本の農業生産技術の説明を受け、研究施設の見学を行いました。

最先端のイチゴ栽培システムや野菜の品種改良圃場をみることで、日本農業の先進性を実感できたようです。

山口県農業試験場でイチゴ施設栽培を視察

その後、西日本最大級のシステム農場である、(株)花の海を見学しました。その際、イチゴ狩りの体験もでき、甘い果実を堪能しました。

花の海の巨大温室で観賞植物の育苗を学ぶ

また、後日、宇部市にある山口県産業技術センターや山口大学遺伝子実験施設を訪れ、先端工学技術や先進医療に係わる施設も見学しました。

山口大学講義室での座学も受けてもらいました。5名の教授陣より、それぞれ、日本の農業と植物工場技術、農業情報工学、環境昆虫科学、耐熱性微生物学、地球環境化学に関する英語講義の提供があり、多くの新たな知識を身につけました。

中日の休日には、山口の観光名所である秋芳洞や萩の城下町を視察しました。

秋芳洞では、秋吉台の地下100m、その南麓に開口する日本屈指の大鍾乳洞に驚愕し、美しく、不思議な自然の造形に感動していたようです。

秋芳洞入り口前にて

萩では、吉田松陰先生所縁の松陰神社を訪れ、明治維新について学びました。

萩博物館で明治維新を学ぶサクラ留学生

特別プログラムの目玉である研究室訪問では、様々な研究室の教員や学生と意見交換ができ、日本への長期留学を考え始める学生もいたようです。

サクラ留学生による研究室訪問

最終日には、所属機関の紹介や、現在行っている研究の発表を行うことにより、山口大学の学生との交流を深めることを目的として、成果発表セミナーを行いました。

成果発表セミナーにおけるサクラ留学生のプレゼン

今回、さくらサイエンスプログラムから御支援頂いたことで、4カ国の7大学と熱帯生物資源をテーマとして交流することができました。この度は、英文報告書も作成し、取り組みの詳細を各協定校としっかり共有します。

サクラサイエンスプランの英文報告書

このような貴重な機会を与えていただき、心から感謝申し上げます。

農学部長から修了証を受け取るサクラ留学生
閉校式にて農学部長と記念写真