2016年度 活動レポート 第104号:千葉大学教育学部

2016年度活動レポート(一般公募コース)第104号

日本の先端科学を支える科学技術基礎実験体験プログラム(2)

千葉大学教育学部からの報告

2016年10月20日~29日にかけて、さくらサイエンスプログラムの支援により、当学部2度目となる「日本の先端科学を支える科学技術基礎実験体験プログラム」と題した科学実験講座の実施をしました。今回受け入れたのは、チュラロンコン大学、キングモンクット工科大学トンブリ校、インドネシア大学、ガジャマダ大学、バンドン工科大学、ボゴール農業大学、ウダヤナ大学、王立プノンペンン大学、以上8大学から計10名の大学院生です。

一行は、10月20日の午前中に成田空港へ到着し、各自で千葉市内のホテルまで移動・チェックインしました。その後ホテルまでスタッフが迎えに行き、千葉大学西千葉キャンパスへと移動してオリエンテーション、およびウェルカムパーティーに参加しました。

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ウェルカムパーティーにて自己紹介
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ウェルカムパーティーにて

彼らにとって日本の10月の気候は自国では感じたことのない清々しいものであったようで、到着後からホテル周辺の散策を大いに楽しんだという事でした。

翌日より科学実験講座が始まり、朝から晩まで教育学部の理科、技術科、保健体育科等の教授が担当する実験講座にて、科学に関する多岐にわたる分野を学びました。科学実験講座は分子生物学、細胞生物学、電気生理学、物理学など多岐にわたるものでしたが、各々の専門と異なる分野についても、"実験から学ぶ" という体験に意欲的に取り組み、知識を広めていました。

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レポート作成(DNA実験講座)

10月22日、23日には千葉市科学館、千葉県立中央博物館、国立歴史民俗博物館等の千葉市内外の学習活動支援施設を訪問したり、佐倉市内の武家屋敷などの散策を、県立佐倉高等学校の生徒達と行ったりしました。

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千葉市科学館にて

自国では長時間のあいだ長距離を歩き回るということが無いASEANの学生達にとって、平常以上の体力を費やすことにはなりましたが、街並みと高校生との交流を大変楽しんだということでした。日本の高校生の英会話力の高さについて驚いたという感想を持った学生もいました。

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城址周辺を散策(佐倉市)

10月25日の科学実験講座の合間には昼食会が行われ、千葉大学の学生が準備した、おでんやちらし寿司を皆で食べました。ASEANの学生達にとって日本の食べ物は美味しいけれど刺激が足りないようで、おでんにインドネシアの香辛料(サンバル)を入れてより自分好みの味にして楽しんでいました。

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昼食会の様子

10月27日には、芝浦工業大学附属柏高等学校を訪問し、高校生に対して自国や研究に関するポスタ-発表を行い、その後文化交流を行いました。大学院レベルの難しい内容でありながら、高校生が熱心に発表を聞いてくれたことが非常に嬉しかったということでした。

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ポスター発表(高校訪問)

10月28日にはファイナルプレゼンテーション、および修了式が行われました。1名につき7分の発表と3分の質疑応答の時間が与えられ、事前に準備していたパワーポイントに沿って、自己・自国紹介、プログラムに参加した感想や経験、身につけた能力について、各人が発表をしました。

その後、実験講座を主導された教育学部の野村教授より修了証書が授与され、千葉大学を訪問し、講座を視察していたフィリピン・サンカルロス大学とパンガシナ州立大学の学生や教員を含め、全員で記念写真を撮りました。

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ファイナルプレゼンテーションの様子

10日間という短い期間ではありましたが、タイ、インドネシア、カンボジアという異なる国籍の人との交流を楽しみ、日本の人(大学生・高校生・教授等)、文化、食べ物、そして優れた科学技術にも触れられた、彼らにとって非常に有意義で充実した経験となったようでした。

ASEANからの学生を受入れ、彼らが日本の先端技術や文化に触れ、自国での研究や勉学に更なるモチベーションを持ち、更には日本への留学を目指すことは大変喜ばしい成果ですし、日本人の大学生、高校生にとっても留学生との交流はグローバルな視点を持つよいきっかけとなると考えております。

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終了証書授与の様子

また、講座を視察したフィリピンの2大学からは、MOU締結の申し入れがあり、大学のグローバル力強化に繋がりました。貴重な機会を与えてくださったさくらサイエンスプログラムに深く感謝申し上げるとともに、今後、発展的に継続されることを強く祈念しております。

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修了式にて