2015年度 活動レポート 第198号:立命館大学情報理工学部

2015年度活動レポート(一般公募コース)第198号

大連理工大学との連携によるソフトウェア教材の開発と活用
立命館大学情報理工学部 呉岩さんからの報告

立命館大学情報理工学部

2016年1月18日~2月5日の日程で、さくらサイエンスプログラムの招聘により、大連理工大学ソフトウェア学部の先生と学生一行11名を受け入れました。

今回の受入れの主な目的と達成目標として、立命館大学と大連理工大学が大連理工大学内に共同で運営している大連理工大学・立命館大学国際情報ソフトウェア学部のプログラム「コンピュータ利用の言語学習や遠隔教育・学習等のe-learning環境での教材開発と活用」として実施しました。

到着の日から20日の午前中まで、一行は浅草寺、秋葉原、東京江戸博物館、日本科学未来館を訪れました。日本科学未来館で「Geo-Cosmos」という地球の模型の下でロボットASIMOとインタラクションをしたり、歩き方の個性計測や反応能力のテストをチャレンジしたり、ドームシアターで宇宙の変遷の秘密を探ったりして自ら先端技術を体験すると同時に、科学技術の甲斐や人類の未来についてもいろいろ考えさせられました。同時に体験型の展示工夫、データ収集に関する告知も大変感銘を受けました。

21日から本格的な共同研究活動が始まりました。一行は朝から立命館大学情報理工学部の会議室で大学と学部の紹介を受け、情報理工学部の4学科の研究室を回り、大連理工大学の研究環境と比較しながら、熱心に研究設備、研究内容の紹介を見て回りました。

22日からは、言語教育でいかにマルチメディア技術を利活用するか、というテーマでワークショップを行いました。

1月22日、25日、29日に、野澤和典教授(情報理工学部)は「E-Learning and Inter-cultural communication research」というテーマで、Webサイトの構築、ibookとBook Creatorという二つのアップル・アプリケーションを紹介しました。これらのアプリ利用が学生たちの積極的な参加を促し、それぞれの創造性を生かすことに繋がることになるので、様々な便利な応用例を示した上、それを利用して教材を作ることも指導しました。そして更に、語学教育のどの場面で活用できるかについても提言しました。

野澤先生のワークショップ風景

26日には、清水裕子教授(言語教育情報研究科)が外国語の試験結果のデータ分析・解析による教育効果の測定、出題内容の妥当性を数値化によることで、教育効果の向上、教育改善の根拠資料として教育改革につなげる意義について紹介しました。

清水先生のワークショップ後の集合写真

28日は、大野裕教授(言語教育情報研究科)がFlashを利用した教材作成と利活用のノウハウについて伝授しました。

2月1日には、Jeremy White准教授(情報理工学部)が「game-based learning」というテーマで、ゲームを利用し、学生の興味関心を高め、教育効果を向上させる取組みについて紹介しました。

White先生のワークショップ風景

2月2日には、木村修平准教授(生命科学部)はQuizletを利用した語学教育の経験について紹介しました。

木村先生のワークショップ風景

1月25日、26日、28日、2月1日、3日、李亮講師(情報理工学部)は立命館大学の様々な教育システムを紹介しつつ、マルチメディア教育に役立つソフトや、その利活用法を紹介し、大連理工大学の現状を踏まえながら、大連理工大学の教員、そして、システム開発を担う学生とディスカッションしながらアドバイスを行いました。また実験室で実際の作業指導を行いました。

李先生とのツール開発の風景

2月4日には成果報告会を行いました。全員は順番に今次の共同研究で得られた成果と感想について報告を行いました。ICT技術を教育に効果的に利活用するには、発想・工夫が大事であり、既成概念からの脱却は第一歩であることを多くの先生が言及しました。また、教育内容から適切な技術選び、技術の組み合わせも重要であり、より効果的な学習効果を達成するため、大学、教師、学生の積極的な取り組みが必要であることも再認識できました。報告内容と質疑応答、補足説明は熱心に行われ、予定より大幅に時間超過し、4時間近くに及んだ。そして最後に国際担当のRUCK副学部長が丁寧に一人ひとりに修了証を授与しました。

修了書授与後に、RUCK副学部長と記念撮影景

今回のプログラムを通じ、大連理工大学・立命館大学国際情報ソフトウェア学部で外国語教育を担う教師は立命館大学の外国語教育の取り組みを触れることができ、今後の教育改善に新たな目標を再認識できたようです。

大学前で記念撮影

また、参加した学生は教えられる視点から今回の共同研究を通じ、教育の面白さ、ICT技術が果たせる役割に関して、認識を深めた。同時に様々な面から日本を自ら体験することができた。その体験談は日本側にとっても新鮮でした。これをきっかけに、共同研究や教育交流が発展することが期待されます。