2015年度 活動レポート 第128号:大阪工業大学

2015年度活動レポート(一般公募コース)第128号

台湾の学生と共同で、ものづくりPBLを実施
大阪工業大学からの報告

大阪工業大学

8月15日から24日までの10日間、JSTの「さくらサイエンスプログラム」の支援を受け、台湾の台北科技大学から10名の学生を大阪工業大学に招き、ものづくりPBL*(Project Based Learning)を実施しました。

与えられた課題を制限された条件下で取り組むことによる多様な能力(課題解決、チームワーク、創造性、コミュニケーション、リーダーシップ、自己評価力など)の向上を目的として、またグローバル人材の育成のため英語での議論・討論を体験しました。

大阪工業大学の電気電子を学ぶ学生と台北科技大の機械を学ぶ学生の4~5人で編成されたチームを作り、「Intelligent Vehicle Challenge 2015」と題して、ボールを2つ運搬する車を作成しました。坂やカーブ、砂利道があるコースを壁にぶつかることなく全自動で往復走行し、中間点とゴール地点にあるカゴにボールをそれぞれ投球するミッションをこなす車体を、各チームが与えられた材料を使って製作しました。大阪工業大学の学生は主にマイコンによるセンサーと車体制御、台北科技大学の学生は車体と投球機構の設計と製作を担当しました。

来日初日は、到着が夕方のため大学の寮に空港から直接移動し、オリエンテーションを行いました。2日目から7日目はPBL活動を行い、活動初日には開会式ののち、それぞれの大学の教員が電気電子・機械分野の簡単な講義を行いました。各チームとも製作初日から積極的に英語で議論し、日々の作業開始時にはその日の課題や作業内容を話しあうことで、チームの連帯感が高まりました。また、作業終了時には簡単なプレゼンテーションと質疑応答の時間を設け、進捗状況や課題を報告。複雑かつ難易度の高いミッションをクリアするため、製作には多大な苦労がありましたがスムーズに行えたようです。

開会式での集合写真
両国の学生が集まって制作活動を行う
ホワイトボードを駆使して打ち合わせ
教員によるレビュー

また、5日目には大学のものづくり施設や研究所を見学し、日本のロボット工学やナノ材料に関する科学技術にも触れました。

ものづくりセンターを見学
ナノ材料マイクロデバイス研究センターを見学

作成した車は8日目に走行性能、デザイン、プレゼンテーションの3フェーズで評価され、その得点を競い合いました。審査の結果、上位3チームが表彰されました。

走行会の様子
完成したユニークな車体たち

9日目は台湾の学生が希望する観光地へ、日本人の学生が案内する相互文化交流を実施しました。京都や大阪の観光を通じて日本の文化に大変興味をもったようでした。

10日目は、閉会式を実施し昼過ぎに関西空港へ向けて大学を離れ、夕方の便で帰国の途につきました。

送別会の集合写真
閉会式での修了証授与

参加した日本人の学生からは、プログラミング能力や、語学力を含めたコミュニケーション能力を更に身に付ける必要があると感じたコメントが聞かれました。台湾の学生からは、日本文化を学べたことやいろんなところに行くことができたことを喜ぶコメントが多く寄せられました。台北科技大の学生との親睦を深めることができ、充実した国際PBLとなりました。

このたびは貴重な機会をご提供いただきましたJSTならびに「さくらサイエンスプログラム」に心より感謝致します。