2015年度 活動レポート 第75号:立命館慶祥高等学校(3)

2015年度活動レポート(一般公募コース)第75号

未来館、NIMS、東京大学で交流しながら学ぶ
日本の科学技術に触れ視野を広めたシンガポールの高校生たち③
立命館慶祥高等学校からの報告

立命館慶祥高等学校

10月12日(月):日本科学未来館で見学研修

この日、立命館高等学校の生徒3名が合流して、シンガポールの生徒9名、日本人生徒6名での研修となりました。一行は日本科学未来館にて研修を行ないました。研修は、本研修団独自の企画で、日本科学未来館の展示内容を3班に分かれて調査・発表するものです。会議室を借りて活動の拠点とし、午前中の2時間は日本科学未来館の常設展示のうち一つのテーマについて展示内容とその体験を記録しました。午後は会議室に戻り、昼食を含めて12時から14時までの2時間を使ってプレゼンテーションの準備をして、14時からの1時間で各班の展示内容に関するプレゼンテーションを行いました。こののち、再び常設展示の見学を16時30分まで行い、他の班の発表した展示を中心に再確認しました。

日本科学未来館内の展示を取材して発表するグループ研修の準備をする。(2015.10.12)

1つの班は、NJC生徒3名、立命館慶祥高等学校1名、立命館高等学校1名の5名編成として、翌13日も同じメンバーで活動することで、2日間を通じて班内でのコミュニケーションを図りながら、調査、まとめ、発表を行えるようにしました。この日の研修で各班が選んだテーマは「医療システム」「ロボット」「臓器移植」で、展示概要の説明、その科学的な根拠、私たちの生活への効果や今後の活用案などをまとめました。発表は他の班に対し、相互にプレゼンテーションする形式をとりました。NJCの生徒は日本の先端的な科学技術について原理や生活への関連を理解することができたようです。

10月13日(火):物質・材料研究機構にて講義、実験、発表

つくばの物質・材料研究機構(NIMS)にて実験・実習を実施いただきました。3班に分かれて、次の内容で取り組みました。

「バイオ・ミメティックス」 指導:細田奈麻絵 先生
「金属表面の観察」 指導:重藤暁津 先生
「超電導」 指導:小森和範 先生

午前中、各班で講義、実験、実習を行っていただき、午後には、班ごとに取り組みの内容をまとめる作業を行いました。取り組みで学んだことに加えて、それをどう応用できるかという高校生のアイデアを盛り込んだ発表を行うこととしました。内容が高度であり、発表準備がわずか2時間でであったため、生徒達はたいへん苦労したようです。

グループ研修で訪問した研究室の研究内容を紹介するプレゼンテーションを行うための準備中。(2015.10.13)
グループ研修で訪問した研究室の研究内容を紹介するプレゼンテーションを行う。(2015.10.13)

15時から、NIMS 内のホールをお借りして発表会を行いました。十分に理解しきれなかった部分も残しながら、見事に発表を行い、研究者の方々からもお褒めの言葉をいただけました。

翌日の東京大学での講義の後、日本の生徒はすぐに帰路につくため、この日の夕食後に修了セレモニーを行った。修了証を授与し、シンガポール、日本、それぞれの生徒、先生から思いを述べ、今後もつながりを継続していくことを誓い合いました。NJCの生徒達から、日本の生徒、先生方へ感謝のしるしとして手紙やプレゼントが贈られました。

10月14日(水):東京大学にて講義の受講と研究室見学

東京大学柏キャンパスにて小川雄一先生の講義を受講しました。同キャンパス内の宇宙線研究所の梶田隆章所長のノーベル賞受賞が決定した直後であったため、わくわくした思いでキャンパスを訪問しました。小川先生からは「核融合研究最前線」と題して、プラズマや核融合、国際協力によって建設が進められているフランスの大型実験装置ITERのお話などを行っていただきました。講義の後に、研究室見学を行いました。プラズマ発生装置Mini-RTの説明と実際のプラズマの性質を観察する興味深い内容でした。

核融合技術開発の研究設備の説明を大学院生から受ける。(2015.10.14)

NJCの先生から、今回の取り組み内容はNJCの生徒達が経験したことのない分野が多く、たいへん有意義であったとおっしゃっていただきました。日本の生徒達にとっても、シンガポールの優秀な生徒と英語で科学交流を行う経験は刺激的でした。生徒同士の友情が築かれただけでなく、学校間でも今後連携が進んでいくものと考え、たいへん意義深い研修であったと考えられる。

東京・つくばの研修に参加したNJC生徒と立命館慶祥生徒および立命館生徒