2014年度 活動レポート 第162号:公益財団法人日中医学協会

2014年度活動レポート(一般公募コース)第162号

中国の医療従事者を招き、医学・医療分野の交流を深める研修プログラム

公益財団法人 日中医学協会

科学技術振興機構主催のさくらサイエンスプログラム交流事業により、12月1日から12月7日の期間、中国の幅広い地域13の省市から優秀な研究者29名を招き、先端的医療関連施設訪問を通して、日本の優れた医学・医療分野に対する理解を深めてもらう研修プログラムを実施しました。

東京を一望できる広い屋上で記念撮影

12月2日(火)午前 東京大学医科学研究所参観

研究所や中国における拠点の紹介、血清バンク見学を通して、世界トップレベルの先端医療とトランスレーショナルリサーチについての理解を深めました。

12月2日(火)午後 東京大学医学部附属病院参観

国際診療部部長による病院概要の説明後、外科・内科・総合グループに分かれて、手術室、栄養相談室、外来化学療法部、検査部などを見学し、日本の病院の患者中心のシステムが整った医療について学びました。

講義の様子

ヘリポートでスカイツリーを背景に記念撮影

12月3日(水)午前 東京女子医科大学先端生命医科学研究所参観

Cell Sheetの研究についての講演後、細胞作製室、細胞プロセッシングセンター、細胞培養自動化装置等を見学しました。日本の生命科学研究のレベルの高さに感心した様子でした。

講義の様子

先生の説明を熱心に聞く研究者たち

12月3日(水)午後 慶應義塾大学附属病院及び予防医療センター参観

再生医療についての講演後、病院の概要及び医療安全の講義を聴講し、腫瘍センター、漢方医学センター、検査部門、人間ドックを見学しました。日本の漢方医学の研究開発の素晴らしさに注目が集まりました。

漢方医学センターにて積極的に質問する研究者

12月4日(木)午前 国立国際医療研究センター参観

国際感染症センター長の重要感染症対策における国際協力についての講演後、感染症病棟、薬剤部を見学しました。特にエボラ出血熱対策で実際使用された施設では質問が相継ぎ、その関心の高さが伺えました。

薬剤部見学

12月4日(木)午後 放射線医学総合研究所参観

施設紹介の後、重粒子線HIMAC、分子イメージング研究センター、緊急被ばく医療施設を見学しました。重粒子線によるがんの治療について学び、その巨大な設備、綿密な防御対策についての説明に熱心に耳を傾けていました。

分子イメージング研究センター見学

緊急被ばく医療施設見学

12月5日(金)午前 テルモメディカルプラネックス参観

神奈川県足柄市にあるメディカルプラネックスで、最先端のトレーニング設備を見学しました。患者目線の商品開発に研究者たちは驚いた様子で、購入希望が出たほどでした。

美術館のようなフロアで記念撮影

12月5日(金)午後 静岡県立静岡がんセンター参観

静岡がんセンターで陽子線による先端的がん治療への取り組みを学びました。緩和ケア病棟では患者に寄り添う医療に触れ、中国でも参考にすべきという感想が寄せられました。

しおさいホールで記念撮影

12月6日(土)午前 報告会

プログラム最終日は、一人一人日本での一週間の感想を発表した後、日中医学協会理事長より修了証書が授与されました。日本の先進医療の高さ、研究者の勤勉さ、患者第一の医療理念について深く印象に残ったようでした。また、富士山の美しさ、街並みのきれいさ、日本人の優しさに触れ、ぜひ再来日したいと希望が述べられました。

修了証書授与

今回の来日を通して、29名の中国人研究者一人一人が、日本の医療の高さと患者目線の医療環境を学ぶとともに、自国の医療の在り方を考える機会となり、また日中医学交流への関心が高められたと述べていました。

一週間という短い期間でしたが、帰国時の空港では涙する研究者もあり、心の通った交流を行うことができました。科学技術振興機構のご支援のもと、今後に繋がる貴重なプログラムとなりました。