さくらサイエンス・ハイスクールプログラム(SSHP)第2グループ
かずさDNA研究所で生命科学の講義とDNA抽出実験を体験
蒸し暑さの中にも心地よい晴れ間が広がった6月30日(火)の午後、さくらサイエンス・ハイスクールプログラム(SSHP)第2グループとして来日中のインドネシアの高校生17名と引率者3名、台湾からの高校生10名と引率者2名の計32名が、千葉県木更津市にあるかずさDNA研究所を訪問しました。千葉県が同市の「かずさアカデミアパーク」の中核機関として設立した同研究所は、1994年に世界初のDNA専門研究機関として開所して以来、DNAの構造や機能の解明、実用技術の開発などで世界の研究をリードし続けています。
一行はまず、研究所内の大会議室へと移動し、プログラムの導入となる講義を受けました。広報・教育支援グループの長瀬隆弘特任研究員から、「DNAってなんだろう?」という基礎的なテーマをはじめ、1996年に同研究所が生物のゲノム解読において世界3例目(ラン藻のゲノム配列)となる解読に成功した歴史的な実績について、スライドやクイズを交えた分かりやすい説明を受けました。そのほかにも、ゲノム解析の飛躍的な進展や、ゲノム編集技術の持つ可能性と課題などが幅広く紹介され、高校生たちは生命科学の奥深さに熱心に耳を傾けていました。
講義後の質疑応答では、生徒たちから活発な質問が飛び交いました。「長瀬先生のご経験に基づき、これまで科学者として活動する中で最も興味深かった出来事は何ですか」といったキャリアに関する質問や、「ゲノム研究が病気の治療に役立つのであれば、具体的にどのような役割を果たしているのか、実例を教えてください」といった医学応用に関する踏み込んだ問いが寄せられました。高校生らしい純粋な好奇心を持って、第一線の研究者と熱心に言葉を交わす姿が印象的でした。
続いて、一行は実験プログラムに挑戦しました。魚の白子やタケノコ、アスパラガスといった身近な食品の抽出液から実際にDNAを取り出す実験を行い、普段はなかなか触れることのできない専門的なマイクロピペットの操作方法も教わりました。生徒たちは研究者さながらの真剣な表情で慎重に作業を進めていました。さらに、2本のひもを使ったユニークな「DNAキーホルダー作り」にも取り組み、バラエティに富んだ体験を通じて楽しく理解を深めました。
すべての講義と実験が終了した後、高校生の代表者が挨拶に立ちました。「このプログラムを通して、インドネシアと台湾という国・地域の交流を深めることもでき、大変感謝しています。また、このような貴重な学びの機会をいただき、本当にありがとうございます」と感謝の言葉を述べると、会場は温かい拍手に包まれました。その後の館内ツアーで研究所内の最新設備を興味深く見学し、全日程が終了しました。プログラム終了のアナウンスに対しては、生徒たちから終了を名残惜しむ声が上がり、研究所での体験がいかに充実したものであったかがうかがえました。
今回の訪問で日本の先端的なDNA研究に直接触れた高校生たちの真剣なまなざしや笑顔は、まさに世界の明るい未来へとつながる希望そのものでした。国・地域の境を越えて集まった参加者同士の絆も深まり、科学が繋ぐ新たな可能性を感じさせる貴重な一日となりました。