2026年度 活動レポート 第1グループ:理化学研究所

さくらサイエンス・ハイスクールプログラム(SSHP)第1グループ

理化学研究所で最先端科学の講義と研究現場を体験

初夏らしい気候となった5月28日(木)の午前中、さくらサイエンス・ハイスクールプログラム(SSHP)第1グループとして来日中のインドの高校生56名と引率者4名は、埼玉県和光市にある理化学研究所(RIKEN)を訪問しました。1917年に創立され、2015年に国立研究開発法人となった理研は、日本を代表する自然科学の総合研究機関です。和光地区のキャンパスには物理学、化学、生命科学、工学など、幅広い分野の最先端の研究室が集まっています。

一行はまず、緑豊かなキャンパス内にある本部棟の入口で記念撮影をした後、オリエンテーション用の大講義室へと移動しました。プログラムの冒頭では、国際戦略部国際連携推進課ケリー・ジャクソン主査より、理研の歴史や組織の概要、日本全国に広がる研究施設について、スライドを用いた分かりやすい説明を受けました。説明では、世界各国から多くの外国人研究者が集まり、研究に従事していることなどが動画とともに紹介され、理研のグローバルな研究環境への理解を深めました。

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続いて、高校生の代表者が挨拶に立ちました。「私たちはそれぞれ異なる国や文化を持っていますが、ここには『サイエンス』という共通の言語があります」と語り、科学を通じて学び合えることへの期待と、この貴重な機会を提供してくれた関係者への感謝の意を述べると、会場は温かい拍手に包まれました。挨拶の終了後、生徒たちは次のプログラムへと臨みました。

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その後、一行はAとBの2つのグループに分かれてプログラムに参加し、それぞれの場所で講義を聴きながら研究の最前線に触れました。ここでは、Bグループの様子を中心にレポートします。

Bグループが最初に向かったのは、環境資源科学研究センターのバイオ高分子研究チームです。ここではアリ・アンドレス・マライ上級研究員から、「くも糸の研究紹介」の講義を受けました。軽さと強靭さ、そして高い伸縮性を併せ持つ生物由来のくもの糸は革新素材として注目されており、環境に優しい服の繊維や医療用の材料など、将来的にさまざまな分野で役に立つ可能性を学びました。講義の後には同チームの研究室を実際に訪れ、くも糸やバイオ由来素材の研究現場を間近に観察しました。

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11時からは、レーザー研究棟にある大河内記念ホールへ徒歩で移動し、齋藤武彦主任研究員による講義を受けました。目に見えないミクロな原子核の世界や、宇宙の始まりにおける物質の起源に迫る高度な解説が終わると、生徒から「同じ正の電荷を持つ陽子同士が、なぜ反発せずに原子核内で結合できるのか」といった、物理学の核心に迫る専門的な質問が寄せられました。高校生でありながら本質的な疑問を抱き、第一線の研究者と熱心に質問を交わす姿が印象的でした。その後、「齋藤高エネルギー原子核研究室」へと移動し、現場の見学を行いました。

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最後に見学したのは、中性子工学施設です。光量子工学研究センターの小林知洋専任研究員より、中性子ビームやその発生装置、研究設備についての説明を受けました。ここでも生徒からは「中性子ビームはコンクリートの壁も通り抜けるのですか」といった、中性子の高い物質透過性に着目した具体的な質問があり、中性子が持つ独特の性質や、その産業応用への研究に対して強い関心を示していました。

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扱われたテーマはいずれも最先端科学に関わる高度な内容でしたが、高校生たちは最後まで真剣な表情で耳を傾け、積極的に質問を投げかけていました。

今回の理研訪問における多彩な研究アプローチとの出会いは、参加者にとっても科学の持つ計り知れない価値を確信する有意義な機会となりました。中には、今回の訪問をきっかけに「いつか日本で科学を学びたい」と熱く夢を語っていた高校生もおり、未来につながる確かな一歩となりました。

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