さくらサイエンス・ハイスクールプログラム(SSHP)第1グループ
芝浦工大柏高で文化交流、梶田隆章先生の特別講演を聴講
5月27日(水)、さくらサイエンス・ハイスクールプログラム(SSHP)の第1グループ(インド、ガーナ、ナイジェリア、南アフリカ)の計96名(高校生85名、引率教員11名)が、千葉県柏市の芝浦工業大学柏中学高等学校を訪問しました。同校は理数系教育を重点的に行う文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール」に指定されており、国際交流に注力する「グローバルサイエンスクラス」を擁しています。世界を舞台に活躍を目指す若者たちが一堂に会し、文化と科学を通じた交流の一日が幕を開けました。
午前9時半、一行が到着すると、今日一日を共に過ごすバディ役の日本の生徒たちが出迎え、「Nice to meet you!」という爽やかな挨拶で交流がスタート。歓迎式の後、初対面で少し緊張した様子も見られましたが、自己紹介を交わし、互いの趣味や学校生活について語り合ううちに、すぐに笑顔が広がる微笑ましい光景が見られました。
SSHPの高校生は4グループに分かれ、芝浦工大の高校生たちと、文化交流(折り紙、けん玉)と学校案内(バディと共に巡る校内ツアー)、茶道教室や書道の教室で日本文化体験に臨みました。
最初はどのような体験か分からずとまどい気味だったSSHPの高校生たちに、同校の生徒たちは英語や身振り手振りで丁寧に説明していました。
折り紙では手裏剣や折り鶴、紙飛行機に挑戦し、完成時に一緒に喜ぶ姿が見られました。けん玉では、初めての体験にも関わらず技を成功させた生徒が大喝采を浴びる一幕も。また、茶道では初めて口にする抹茶の風味や和菓子の甘さに驚きつつ日本文化を五感で堪能しました。書道では講師から「かな」「カタカタ」「漢字」の説明を受けたあと、国名や「友」「ポケモン」「さくら」などいくつかのお手本サンプルが示され、好きな言葉を選んで作品づくりに没頭しました。
午後はバディと共に講堂へ移動し、ニュートリノ振動の発見でノーベル物理学賞を受賞された梶田隆章先生の特別講演会を聴講しました。
梶田先生はご自身の高校生活の紹介から、なぜ研究の道に進んだのか、スーパーカミオカンデでのニュートリノ観測や、重力波の直接観測を目指す最前線の研究について分かりやすく説明してくださいました。そして高校生たちへ向けて、「研究をはじめ、何事も結論が出るまでは時間がかかり、地道な忍耐力が必要であること」「難しくなるほど、大きな成果にはチームワークの力が不可欠だ」と熱く語りかけました。
講演後の質疑応答では次々と質問の手が上がり、関心の深さをうかがい知ることができました。インドの高校生からの「将来、科学の世界に貢献したい若者へ、一つだけメッセージを送るとしたら?」という問いに、先生は「夢を持ち続けてください」と力強く回答。さらに「すべてを諦めそうになった瞬間はありましたか?」という質問には、2001年のスーパーカミオカンデ破損事故の壮絶な経験を明かされました。絶望的な状況下でも現場の「絶対に諦めない」という情熱と迅速な決断で危機を乗り越えたエピソードに、会場は深い感動に包まれました。
わずか一日という限られた時間ではありましたが、SSHPの高校生たちと芝浦工大柏高の生徒たちは互いにすぐに打ち解け、日本文化体験を通じたリアルな交流と、世界最先端の科学研究の知性に触れる充実した時間を共有しました。名残惜しそうに学校を後にした一行にとって、国際的な視野を広げ、未来への大きな希望と刺激に満ちた貴重な一日となりました。