2026年度 活動レポート 第4号:国立科学博物館

2026年度活動レポート(一般公募プログラム)第4号 (Bコース)

DNAデータに基づく野生食用きのこ類の国際共同研究の推進

国立科学博物館からの報告

国立科学博物館植物研究部では、2026年8月3日~16日の14日間にわたり、アフリカ3カ国(カメルーン、コートジボワール、ベナン)の複数機関から計8名の研究者および大学院生を招へいし、野生きのこ類の共同研究を推進するための研修および情報交換を実施した。

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当初予定より2日遅れで全員が合流し、筑波実験植物園でのきのこ調査

さくらサイエンスプログラムの趣旨を重視し、当初は大学院生など若手のみで構成することも検討していた。しかし、共同研究をより効率的に推進することに加え、私自身が実際に対面で会ったことのある人物が一人も含まれないことへの不安もあったため、大学教員2名の引率者(40歳以上)のほか、ポスドク、大学院生を含む構成とした。結果として、この組み合わせにより参加者同士のディスカッションが活発となり、互いに助言を与え合う機会も多く見られたことから、非常に有意義な構成であったと感じている。

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慶応大学でディスカッションの合間に各国のきのこ料理を実食

私自身はもちろん、国立科学博物館としても本プログラムへの申請は初めての試みであり、採択後の諸手続きに戸惑う場面があったことは共有しておきたい。一つ目は、野生きのこを対象とする以上避けがたい事情ではあるが、きのこが発生する時期に来日してもらう必要があり、全員のスケジュールを合わせられたのが8月上旬であったため、採択決定から来日までの期間が短かった点である。そのため、全員分の航空券、ビザ、宿泊先などの手配を、限られた期間内にほぼ一人で進めることとなった。この作業量は、外国人の招へいに慣れた他機関の研究者にとっても決して小さくないと思われる。今後申請する場合には、一研究者ではなく、組織単位でプログラムの立案段階から進めることを強く推奨したい。

二つ目の困難は、複数国からの招へいであったため、氏名の綴り、国籍、所属機関名の確認が容易ではなかったことである。特に西アフリカでは、域内移動の際にパスポートを使用しない場合もあるため、指導教員が自身の学生の国籍を正確に把握していないことも珍しくないとのことであった。また、各国からの出発便も異なるため、今回はコートジボワール発の便が若干遅延し、エチオピアのアジスアベバ空港での乗り継ぎに間に合わず、3名の日本到着が2日遅れるというアクシデントも発生した。旅程管理の観点からは、1か国、さらには1機関のみからの招へいとしたほうが格段に容易であるが、今回のプログラムで得られた成果を考えると、こうした労力を上回る価値があったと強く感じている。

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試薬作りに四苦八苦

今回の招へいは、私の研究室で推進している科研費プロジェクト「きのこと人のグローバルな繋がり―ハイチの食用きのこ "djondjon" の文化菌類学的研究」(基盤B、2025~2029年度)を皮切りに、今後さらに国際共同研究を推進することを目的としていた。特に研究環境が日本と大きく異なるアフリカ諸国との共同研究においては、実験手法を標準化することで、より確実に質の高いデータを共有できるようになるはずである。今回のプログラムでは、2週間という限られた時間ではあったが、野外調査から実験室内での作業まで一連の手順を実践・共有することで、今後の共同研究につながる基盤を構築できたと感じている。

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プログラム最終日前日に実施した意見交換会。所属大学院生とともに。