2025年度 活動レポート 第62号:宮崎大学

2025年度活動レポート(一般公募プログラム)第62号 (Aコース)

実体験型ワークショップを通したAIおよびIoTによるDXを牽引するための
次世代人材育成と研究・文化交流プログラム

宮崎大学からの報告

宮崎大学は、2026年2月15日から22日までの8日間、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)さくらサイエンスプログラムの一環として、「実体験型ワークショップを通したAIおよびIoTによるDXを牽引するための次世代人材育成と研究・文化交流プログラム」を実施しました。

本プログラムでは、Vellore Institute of Technology(インド)、Prince of Songkla University(タイ)、Rajamangala University of Technology Srivijaya(タイ)から、大学生・大学院生6名および引率教員2名の計8名を招へいしました。

インドおよびタイをはじめとするアジア諸国では、産業の高度化と持続的発展に向けて工学分野における教育・研究の強化が求められています。本プログラムでは、本学が強みとするAI・IoT技術が、地域の重要課題である農業や医療・福祉分野においてどのように活用され、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しているかについて、講義、実習および現地視察を通じて学ぶ機会を提供しました。参加者は、理論と実践の両面から先端技術への理解を深めるとともに、国際的な研究交流を通じて専門知識の向上と人的ネットワークの形成を図りました。

宮崎大学到着後には、学長、国際担当理事および工学部長への表敬訪問を実施しました。参加者と本学関係者が交流し、これまでの大学間交流の成果を確認するとともに、今後の教育研究連携や国際共同研究の可能性について意見交換を行いました。

本学農学部附属フィールド科学教育研究センター住吉フィールドでは、受入れ担当教員が主導する「AI・IoT技術を組み合わせた乳牛の健康管理システム」の実証現場を視察し、導入された各種センサーや機材、システムの構成について紹介しました。画像処理・ディープラーニングを核とした非接触センシング技術が、家畜の健康管理という現場の課題解決にどのように応用されているかを間近に体験し、参加者は最先端のAI・IoT技術の社会実装を具体的に理解することができました。

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最先端技術体験のための牧場視察(宮崎大学 住吉フィールド)

また、受入れ担当教員の研究室を訪問し、研究室の学生とともに、画像処理やディープラーニングに関する実習およびディスカッションを行いました。専門分野や研究環境の異なるメンバーが混在するチームで課題に取り組むことで、技術的な知見の共有にとどまらず、将来の国際共同研究の素地となる人的ネットワークの形成につながりました。

さらに、本学農学部附属フィールド科学教育研究センター田野フィールド(演習林)を訪問し、森林フィールドにおける教育・研究の現場を視察しました。AI・IoTの応用先が工学分野にとどまらず、農学・林学を含む幅広い領域へ広がっていることを、実際の現場を通じて学ぶ機会となりました。

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演習林視察(宮崎大学 田野フィールド)

専門的な研修に加え、日本文化への理解を深めるための体験講座も実施しました。毎回好評を得ている日本文化体験講座では、和装の着付け体験を行うとともに、日本の食事マナーを学びました。異なる文化的背景を持つ参加者が日本の伝統文化に直接触れることで、相互理解と交流が一層深まりました。

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日本文化講座(和装着付け体験)

また、各国の食文化を紹介する交流会を開催し、参加者がそれぞれの国の料理を調理・試食しました。食文化に関する意見交換を通じて、学術交流のみならず相互理解と友好関係の促進につながりました。

プログラムの集大成として、研究室の学生やプログラム参加者に加え、学外からも講師を招いた国際シンポジウムを開催しました。参加者一人ひとりが、各大学における研究成果や本プログラムを通じて得た学びを、ポスター形式で発表しました。専門分野や研究環境の異なるメンバーが、課題設定から検証・考察までを共有し、相互に質疑を重ねることで、国際共同の学びを実感できる場となりました。

また、埼玉大学の島村教授による特別講義を実施し、日本の大学や研究をめぐる最新の動向が紹介されました。参加者が日本の研究環境への理解を深めるとともに、自らの専門分野への関心を一層高める契機となりました。

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特別講義を行う埼玉大学 島村教授
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さくらサイエンスプログラム国際交流シンポジウムの様子

こうした活発な学術交流を通じて、単発的な講義にとどまらず、継続的な国際交流および教育研究ネットワークの拡大へと発展させることを目指しています。

シンポジウムの最後には修了式を行い、参加者全員に修了証を授与しました。学内外から幅広い方々にご参加いただき、学術的・文化的な交流が活発に行われました。

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国際シンポジウムにて修了証を授与

プログラムの最終日には、午前中に宮崎から東京へ移動し、日本科学未来館(Miraikan)を訪問しました。ロボットや宇宙開発、生命科学などの常設展示に触れ、滞在の締めくくりとして、日本の最先端の科学技術への理解をさらに深めました。

その後、参加者は夜の便で帰国の途につきました。多くの学びと交流の記憶を胸に、関係者一同で再会と今後の協働を約束し、別れを惜しみました。

本プログラムでは、最新のAI・IoT技術やその社会実装の現場を直接体験し、理論と実践を結びつける学習機会を提供しました。これにより参加者は、AI・IoT技術が実際の産業や地域社会にどのように活用されているかを多角的に理解するとともに、異なる文化的背景を持つ人々との交流を通じて、国際的な視野や課題解決能力を養うことができました。

インド・タイから招へいした、次世代のリーダーとしての成長が見込まれる参加者が、自国の課題解決に向けた科学技術への興味・関心を深め、将来の国際的な共同探究へのきっかけを得たことは、本プログラムの大きな成果です。単なる知識の習得にとどまらず、グローバルな環境においてDXを推進できる実践力と応用力を兼ね備えた人材の育成につながり、国際体験の深度を一層高めることができました。宮崎大学は、今後も本プログラムを通じて国境を越えた大学間連携を一層強化し、国際的視野と実践力を備えた次世代の理工系人材の育成に取り組んでまいります。