2025年度 活動レポート 第51号:三重大学

2025年度活動レポート(一般公募プログラム)第51号 (Aコース)

科学がひらく国際交流の扉
〜理科教育研修と学生交流を通じた海外留学へのステップ〜

三重大学からの報告

本プログラムは毎年、ホーチミン市師範大学の学生および教員を三重大学に招へいし、日本の理科教育を学ぶ機会を提供することを目的として実施しています。10年目となる2025年度は、2026年2月12日から2月18日にかけて、同大学より大学生7名および引率教員1名を招へいしました。参加者は全員、将来ベトナムで理科教員になることを目指しており、本研修は将来のキャリアにつながる有意義な機会となりました。

プログラム初日には、三重大学に在籍しているホーチミン市師範大学日本語学科の交換留学生との交流会を実施しました。交流会では、交換留学生が三重大学での学びの内容に加え、日本での生活の様子や日本人学生との交流、さらに地域の人々との交流について紹介しました。参加者にとっては、日本での留学生活を具体的に思い描く貴重な機会となり、日本への留学に対する関心を高めるきっかけとなったようです。なお、交流会に参加した交換留学生の中に、過去に他大学で実施されたさくらサイエンスプログラムへの参加を契機として来日した学生がおり、そのことは本事業の意義を実感させるものとして、関係者一同の大きな驚きとなりました。

2月14日には、三重大学が実施している科学人材育成事業「ジュニアドクター育成塾」の塾生による、ミニ研究発表会を実施しました。塾生達(中学生)はそれぞれの研究成果をスライドを用いて発表し、中には英語で発表や質疑応答を行う生徒も見られました。参加者は各発表に対してコメントし、活発な議論が展開されました。翌15日には、参加者は塾生達とともに名古屋市科学館を訪問し、展示物の体験を通して交流を深めました。

2月17日には、松阪市立米ノ庄小学校を訪問しました。校長先生へのご挨拶の後、前田昌志教諭による5年生の授業に参加しました。授業では、レゴブロックとセンサーを活用したSTEM型の学習活動が行われ、児童たちはiPadでプログラミングを行い、構造物に振動を与えながら耐震性の高い建物の設計に取り組んでいました。参加者も児童のグループに加わり、協力して活動に参加しました。また休み時間には、カードゲームやサッカー等の遊びを通して児童と交流し、日本の学校生活を体験しました。

活動レポート写真1
米ノ庄小学校のSTEM教育を体験

さらに、三重県内のSSH指定校である津高等学校および四日市高等学校を訪問しました。津高等学校では化学の特別授業に参加し、生徒とともにグループで実験を行いました。四日市高等学校では物理の授業に参加し、記録タイマーを用いた重力加速度の測定に取り組みました。これらの活動を通じて、日本の高等学校における探究的な理科教育の実践を体験することができました。

活動レポート写真2
津高等学校の化学実験に参加

今回の招へい期間は、ベトナムのテト(旧正月)の時期と重なっていたため、参加者はしおりなどのちょっとしたプレゼントを赤いポチ袋に入れた「お年玉」を用意してきてくれました。「お年玉」は学校訪問の際に日本の児童・生徒へ手渡され、文化的な相互理解を促進する貴重な機会となりました。

活動レポート写真3
「お年玉」と参加者たち

今回のプログラムでは、探究的学習や協働的な学びを通して日本の理科教育を実体験することで、参加者は将来の教育実践に活かすための多くの示唆を得ることができたようです。本プログラムの過去の参加者の中には、卒業後に博士号の取得を目指して日本の大学院へ進学する者が継続的に見られます。今後もホーチミン市師範大学と三重大学、さらに地域の学校との連携を継続し、国際的な教育交流の一層の発展を目指していきたいと思っています。