2025年度 活動レポート 第49号:岡山大学

2025年度活動レポート(一般公募プログラム)第49号 (Bコース)

ヘルスシステム統合科学研究科におけるバイオテクノロジー分野の共同研究イニシアチブ

岡山大学からの報告

さくらサイエンスプログラムにより、2026年1月13日~29日の日程で、インドのコルカタにあるシスター・ニヴェディタ大学(SNU)から、主にバイオテクノロジー分野の教員1名、学生7名を、ヘルスシステム統合科学研究科の5つの研究室(細胞機能設計学、無機バイオ材料工学、オルガネラシステム工学、蛋白質医用工学、分子細胞工学)で受け入れました。

活動レポート写真1
1st Meetingにて

また、文化体験のためのエクスカーションとして、原爆ドーム、広島平和記念資料館、岡山後楽園、岡山城を訪問しました。各研究室での実施内容とエクスカーションの様子は以下の通りです。

【細胞機能設計学研究室】

1名の学生を受け入れ、免疫系細胞を扱った研究を実施しました。受入学生は、日本人学生のサポートを受けながら複数の動物細胞株の観察と細胞培養、タンパク質発現ベクターの遺伝子導入実験を行いました。さらに、ウエスタンブロットにより発現タンパク質を検出し、細胞間での発現効率について比較検討しました。また、フローサイトメーターを用いて生細胞の発現する細胞表面タンパク質の検出を実施しました。

【無機バイオ材料工学研究室】

医療応用を指向した水酸アパタイトの合成と構造評価に取り組みました。カルシウム欠損型水酸アパタイトは生体内で徐々に吸収されて生体骨に置き換わる生体吸収性骨補填材としての応用が期待できます。そこで水熱プロセスを用いてカルシウム欠損型水酸アパタイトを合成し、構造および特性の評価を行うことで、セラミック系生体材料の合成及び構造解析手法に関する理解を深めました。

活動レポート写真2
実験の様子(無機バイオ材料工学研究室にて)

【オルガネラシステム工学研究室】

2名の学生を受け入れ、CRISPR-dCas9を用いたCRISPR activationおよびCRISPR interferenceの原理習得、標的遺伝子部位の選定、並びにプラスミド構築を実施しました。さらに、作製した遺伝子発現改変細胞の機能評価として、筋芽細胞株C2C12の分化誘導実験を行い、融合指数を指標とした分化能の定量評価を実施しました。

【蛋白質医用工学研究室】

2名の学生を受け入れて、組み換えタンパク質の生産・精製や診断薬開発研究の一端を、実際に実験をして理解を進めました。研究室内で博士後期課程に進学予定の学生と密接にコミュニケーションをとることで、彼ら自身が日本に留学をして同じプログラムの下で学位取得を目指す具体的なイメージができたようです。彼らの夢を叶えるために解決すべき課題についても、相互の理解が深まる貴重な体験でした。

【分子細胞工学研究室】

受入学生に当分野で開始予定の高頻度突然変異に関わる因子の発現調節に関する新規プロジェクトの予備実験を担当してもらいました。将来的な共同研究も意図して、進行している研究に参加してもらい、当分野での研究の一端を経験してもらいました。また、研究室でのセミナーでは、受入学生には、実験の進捗報告を発表してもらうとともに、インドでの研究について発表をしてもらい、当分野からは主に関わる大学院生の研究発表を英語でしてもらいました。

英語での発表や議論は、研究室の学生にも良い交流の機会になりました。

活動レポート写真3
発表の様子

エクスカーションとして訪問した原爆ドームおよび広島平和記念資料館では、展示資料や解説を熱心に見学し、被爆の実態や当時の生活を伝える資料に見入る様子が見られました。特に、解説員に対して原爆投下の背景や被爆者の体験について自ら質問するなど、主体的に理解を深めようとする姿が印象的でした。

活動レポート写真4
文化体験:原爆ドーム(広島)にて

また、岡山後楽園および岡山城の見学では、庭園の景観や城郭建築を楽しみながら写真を撮影したり、感想を共有したりする姿が見られ、日本の伝統文化や歴史文化への関心を高めている様子がうかがえました。さらに、見学の過程では日本とインドの文化の違いについて意見交換をし、相互の文化理解を深める貴重な機会となりました。

活動レポート写真5
修了式にて