2025年度 活動レポート 第46号:リモート・センシング技術センター

2025年度活動レポート(一般公募プログラム)第46号 (Cコース)

小型地球観測衛星の開発・運用および実利用のための技術研修

リモート・センシング技術センターからの報告

2026年2月2日から11日の日程で、一般財団法人リモート・センシング技術センター(RESTEC)において、さくらサイエンス交流プログラムC.科学技術研修コース「小型地球観測衛星の開発・運用および実利用のための技術研修」を実施しました。

本プログラムでは、ダルエスサラーム工科大学、タンザニア農村都市道路公社(以上タンザニア)、フェリックスウフエボワニ国立工科大学(コートジボワール)、ケニア宇宙機関、野生生物研究・トレーニング研究所(以上ケニア)、ガーナ宇宙科学技術研究所、ガーナ大学(以上ガーナ)から計10名の研究者を受け入れました。

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日本科学未来館での記念撮影

本プログラムは、九州工業大学が2016年より実施している途上国と協力して超小型衛星を共同開発する国際的プロジェクト(BIRDSプロジェクト)に参画、あるいは参画を検討しているアフリカの機関に所属する研究者に、将来、送出し国の宇宙分野における代表となりうる優秀な人材を確保・育成するために、招へい者が小型人工衛星を地球観測に活用するために必要な基幹技術、例えば地球観測用センサの開発、小型衛星へのセンサの搭載方法や、地上観測システムの運用方法、地球観測衛星データの解析・利用方法などに関する技術を身につけ、小型衛星開発を推進するモチベーションを高めてもらうため、そして実施機関としては衛星リモートセンシングの技術をアフリカ各国に普及する契機とし、アフリカ諸国の研究者との国際的頭脳循環を進める足がかりとするために、研修を実施しました。

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衛星データの検索・表示に関するハンズオンの様子

プログラム期間中、RESTECからは衛星リモートセンシングを用いた地球観測の原理、衛星データを用いた課題解決・国際協力、衛星リモートセンシングデータの可視化に関する講義や実習が行われました。また、外部機関にも協力いただき、JAXA地球観測センター、東京電機大学での地球観測データの受信に関する講義や施設見学、九州工業大学による超小型衛星開発および試験に関する講義、株式会社アークエッジ・スペースおよび株式会社Synspectiveによる小型地球観測衛星の開発・運用・サービスに関する講義などが行われ、幅広い知識や技術に触れる機会が提供されました。

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JAXA地球観測センターの見学風景

一方で、日本に対する理解をより深めてもらうために、プログラム期間中には伝統文化を体験する機会として茶道体験や和紙の紙漉き体験も行いました。茶道体験には、埼玉県鳩山町長も参加し、鳩山町の自然・文化資源に関する意見交換を行いました、また、和紙の紙漉き体験では、日本の和紙の作り方について講義を受けた上で、実際の手順を習いながら1枚1枚真剣に紙を漉く姿も見られました。

研修生たちは、日本の小型人工衛星開発・地球観測技術に強い関心を示すとともに、自国における小型地球観測衛星の開発・運用への応用や各国機関間の協力について講師や他の研修生たちと活発に議論を行っていました。特に、研修第9日に行われた研修成果を今後に生かすための議論では、研修生たちが帰国後も連絡を取り合い、帰国後に所属機関の同僚とも相談して今回のプログラムを契機として継続的な活動をするための方針を話し合いました。

今回のプログラムを通じて、研修生たちが、衛星開発が地球観測データの取得や各種課題解決に繋がることを理解し、BIRDSプロジェクトで実際に小型地球観測衛星を開発し、その後もデータ利用などの分野で日本との技術協力を継続してくれることを期待しています。

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クロージングセレモニー後の記念撮影