2025年度 活動レポート 第29号:東京都市大学

2025年度活動レポート(一般公募プログラム)第29号 (Aコース)

超スマート社会の実現に向けた基盤技術の修得と課題発見プログラム

東京都市大学 情報工学部 知能情報工学科
教授 神野 健哉さんからの報告

2025年12月3日~9日の7 日間、大同大学(台湾)工学部 電気工学科から、学生8名+引率教員3名、計11名を招へいし(うち3名は自己資金による)、A.科学技術体験コースのプログラムを実施した。

日本と台湾は、超スマート社会(Society 5.0)の実現に向け、技術、政策、人材育成などの分野において多角的な連携を推進している。本プログラムは、AI、ビッグデータ、センシング技術をはじめとする先端技術を学修し、体験的学習を通じて「人に優しく、環境に配慮し、持続可能な未来」の実現に必要な課題発見・解決力、論理的思考力、ならびに国際的な協働力を育むことを目的とした教育・研究交流プログラムである。

活動レポート写真1
キャンパスツアーにて

台湾・大同大学と東京都市大学(以下「本学」という)は、長年にわたる交流を通じて信頼関係を構築し、2019年に包括的MoU協定を締結した。これまで、オンライン交流を含む計5回のさくらサイエンスプログラムを実施し、教育・研究連携を推進するとともに、毎年「TCU × TTU Workshop」を大同大学にて開催するなど、継続的な交流を深化させてきた。これらの実績を基盤として、超スマート社会(Society 5.0)の実現に向けた教育分野での連携を発展させ、「超スマート社会の実現に向けた基盤技術の修得と課題発見」を共通テーマとする日台連携プログラムとして再構築した。8月に日本から台湾へ、12月に台湾から日本へ学生が渡航し、相互に大学を訪問・交流することで基盤技術の修得を図っている。日本ではAI、ビッグデータ、センシング技術などを、台湾ではAI、IoT、ユーザインタフェース、サイバーセキュリティなどを学修する。さらに、フィールドワークや企業訪問を通じて、日本および台湾における最新技術の社会実装を体験する機会を提供している。加えて、プログラム終了後には海外インターンシップへの参加機会も用意している。

本プログラムでは、車両やドローンの経路問題など、社会的に重要な最適化課題を対象とした効率的かつ柔軟なアルゴリズムに関する講義・演習から開始し、Deep Learning(深層学習)やサイバーセキュリティ分野におけるAIの役割を学修することで、安全・安心な社会の構築に向けた理解を深めた。

活動レポート写真2
Deep Learningの講義・演習

また、生体信号の計測およびMATLABを用いたデータ解析演習、ロボットプログラミング体験を通じて、両大学の学生が協働し、正解のない課題に取り組みながら最適解を導出した。海外学生とのグループワークは、本学学生にとっても極めて有意義な経験となり、大同大学で実施されているサマープログラムや海外インターンシップへの参加意欲を喚起する契機となった。

活動レポート写真3
生体信号の計測とデータ解析演習

さらに、大同大学のパートナーであり、台湾を代表する総合電機メーカーである「大同公司」の日本本社を訪問し、大同グループが創造するスマート社会について、日本と台湾の文化的背景の違いを踏まえつつ、両大学の学生による討議を行う貴重な機会を得た。

活動レポート写真4
「大同公司」日本本社にて 講義風景

滞在期間中には、本学知能情報工学科の研究室を訪問し、各分野における研究事例の見学・体験を通じて、本学学生との研究交流を実施した。休日には本学学生がホストとなり、多くの訪日外国人観光客で賑わう東京の案内を行った。自然や伝統、人間と技術の調和、おもてなし文化など、日本におけるスマート社会実現に向けた社会実装の現場を体験し交流を深めた。

活動レポート写真5
研究室訪問 本学学生達と研究交流

最終プレゼンテーションでは、日本滞在中に得た知見を基に、台湾と日本の文化の違いを意識しつつ、スマート社会実現のための改善策に関する提案を行い成果発表会・修了式を実施した。

さくらサイエンスプログラムを通じて、本学と大同大学との協力関係は一層強化され、今後は台湾産業界との共同研究の促進や、学生・研究者間の交流拡大など、教育・研究の多方面にわたる発展が期待される。

台湾・大同大学と東京都市大学における国際交流の機会を賜りましたこと、国立研究開発法人科学技術振興機構「さくらサイエンス交流事業」にご尽力いただいた関係者の皆様に、謹んで深く御礼申し上げます。

<大同大学 Tatung University>

1956年に台湾を代表する大手電機メーカーである「大同公司」の会長(当時)であった林挺生氏が創立した大学。「理論と実践」を重んじる学風があり、現在のシャープ社長である戴正吳氏を初めとする多くの優れた経営者を輩出している。
 本学と大同大学は、長年の交流実績に基づき、2019年10月に包括協定を締結。本学 情報工学部を中心に、ワークショップ、インターンシップなど学生、教職員の双方向の交流が活発に行われている。
ホームページ https://www.ttu.edu.tw/