2025年度活動レポート(一般公募プログラム)第28号 (Aコース)
高知の次世代施設園芸Internet of Plants (IoP) 体験プログラム
高知大学農林海洋科学部からの報告
高知大学農林海洋科学部では、先端技術を活用した施設園芸やスマート農業の研究・教育を推進しており、Internet of Plants(IoP)という農業データ収集や活用の仕組みを、高知県の施設園芸ハウスに普及させる取組みを行っています。本プログラムでは、インドおよびベトナムから農業や情報通信技術(ICT)に関心の高い学生を招へいし、高知における先端的な施設園芸やスマート農業の実践を体験することを目的として交流を実施しました。
プログラム初日にはオリエンテーションを行い、アイスブレイクを通じて参加学生同士の交流を図りました。続いて、農芸・食品分野に関する研究紹介が行われ、碁石茶を例とした高知県産品を題材とした研究をはじめ、植物病理学および植物栄養学の研究内容について学びました。また、学長表敬訪問を通じて、高知が抱える地域課題や各国の農業課題について再認識する機会となりました。意見交換会では、学内の留学生と交流し、国際的な視点から活発な意見交換が行われました。
IoPに関する講義・実習では、施設園芸における環境制御技術や、高知県が管理・運営するクラウドシステムを活用した生産支援の仕組みについて学びました。また、実習では、小型コンピュータであるラズベリーパイを用いて、LEDの制御、Pythonプログラミング、画像データの収集などについて体験しました。
施設見学では、高知大学IoP共創センター、高知県農業技術センター、民間企業であるAitosa株式会社を訪問し、次世代型施設園芸の実証研究や、ICTを活用した生産管理の実際について学びました。大学、研究機関、企業それぞれの立場からの取組みを直接見学することで、高知県における施設園芸技術の特徴や強みを総合的に理解する機会となりました。
また、文化体験として高知城やひろめ市場、牧野植物園を訪問し、高知の歴史や文化、自然環境への理解を深めました。牧野植物園では標本室の見学も行われ、日本における植物研究の取組みについて理解を深めました。
最終日には、水産分野におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する講義を行い、日本の水産・海洋分野におけるデジタル技術の活用について学びました。続いて、海洋コア国際研究所のキャンパスツアーを実施し、高知大学における先端的な海洋研究の取組みへの理解を深めました。これらの活動を通じて、参加学生は農業分野にとどまらず、水産・海洋分野を含む幅広い科学技術を学ぶ機会を得ました。
午後は、成果発表会を開催し、参加学生が本プログラムを通じて学んだIoP技術やスマート農業の知識を、自国の農業課題にどのように応用できるかについて発表しました。本プログラムを通じて、参加学生は日本の先端的な農業技術への理解を深めるとともに、国際的な視野を広げる貴重な機会となりました。
今後は、今回の交流を契機として、留学生の受け入れや国際共同研究など、さらなる国際交流の発展につなげていきたいと考えています。実施にあたり、ご支援いただきましたJSTさくらサイエンスプログラム、高知県農業技術センター、Aitosa株式会社、牧野植物園の皆様、ならびに高知大学の関係者の皆様に深く御礼申し上げます。