2025年度 活動レポート 第21号:富山大学

2025年度活動レポート(一般公募プログラム)第21号 (Aコース)

初等理科教育におけるCBLの実現に向けて
−日・エチオピア間でのプラットフォームづくり−

富山大学からの報告

2025年11月7日〜14日、アジスアベバ大学(以下AAUとする。)教育・言語学部KEBEDE YEKOYEALEM DESIE学部長の引率の下、大学院生4名、学部生3名の計7名を招へいし、A.科学技術体験コースのプログラムを実施しました。本プログラムは、コンピテンシーベースの教育(以下CBLとする。)の実現に向け、日本の小中学校の理科教育の授業実践や教員養成の在り方を実地で学ぶことを目的としています。同時期に実施されたJICA国別研修「初等・中等におけるSTEAM(科学)教育の質的向上」において研修生(エチオピア教育省・各州教育局職員、教員養成大学教員)が取り組む理科の模擬授業づくりにも生徒役として参加し、CBLを学びました。

【1日目】

予定より大幅に遅れて到着したため到着後はすぐに休息をとりました。

【2日目】

大学や研修の概要説明の後、日本の教育の現状、教師同士の学び合い、日本とエチオピアの理科教科書・授業比較に関する講義を受け、理科授業を体験しました。本学の学生と共に日本の中学校で行う形式で理科授業を受け、日本の教育を学びつつ、自国の教育を振り返る機会になりました。本学の学生ともすぐに意気投合し、休憩時間には両国の文化の違いを中心に話に花が咲きました。

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教職大学院生(現職教員)との対話

【3日目】

CBLの授業づくり、学習指導要領に基づく授業設計、理科授業デザインの要点についての講義で、実験を交えながら本学の学生と共に学びました。夕方には富山駅周辺で学生交流を行い、親睦を深めました。

【4日目】

教育学部附属中学校を訪問し「状態変化」や「電流電圧の測定」の探究的な理科授業を参観しました。目に見えない現象を図やグラフで表現しながら考察する学習に高い関心を示していました。また、本学の学生と共にJICA研修生による模擬授業づくりに参加し、授業改善に向けた意見を積極的に発言しました。

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模擬授業後の省察

【5日目】

教育学部附属小学校を参観しました。理科の授業ではICTを活用した地域教材の学習に、算数の授業では児童の思考に沿った授業展開に、強い関心を示していました。午後は、前日同様模擬授業づくりに参加しました。

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小学校の授業参観

【6日目】

大学の初等理科教育法の授業を参観し、学生によるmicro:bitを用いた電磁石の模擬授業を参観しました。午後は再び模擬授業づくりに参加しました。

【7日目】

理科教育法の授業に臨み、動物の分類についての学生の模擬授業を参観しました。続く教職大学院生(現職教員)との交流では、日本とエチオピアの教育について活発な意見交換が行われ、併せて富山の自然や文化・食を学ぶ機会にもなりました。さらに、JICA研修生による模擬授業では生徒役として参加し、実験等を行いながら生徒の発言を中心に展開する日本の理科授業の特徴を踏まえた模擬授業について、これまで学んだことを活かし授業改善の意見を述べることができました。

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理科の模擬授業に生徒役として参加

【8日目】

本学の学生たちとの別れを惜しみつつ成田空港へ移動し、帰国の途につきました。

■総括

本プログラムにより、AAUと富山大学間で理科教育におけるCBLづくりのためのプラットフォーム構築が始まりました。本学の学生やJICA研修生と共に体験ができたことは、プラットフォーム構築だけでなく、それが将来機能してゆく上でも重要な機会になったと考えています。また、今回のプログラムを通し、AAUと富山大学との間で新たな連携構築の契機が生まれました。帰国後も学生同士の研究交流は続いています。今後は共同研究やさらなる交流へと発展していくことが期待されます。

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富山大学教育学部の前で記念撮影