2025年度 活動レポート 第20号:岩手大学

2025年度活動レポート(一般公募プログラム)第20号 (Aコース)

水インフラの維持管理および肥料資源供給拠点化に向けた先端的研究を体験する

岩手大学理工学部からの報告

2025年10月26日(日)から10月31日(金)の間、タイのモンクット王工科大学ラートクラバン校チュンポンキャンパスより大学生5名および引率教員(THATCHAPOL CHUNGCHAROEN准教授)を岩手大学へ招へいしました。

<初日>

夕方に盛岡に到着しました。

<2日目>

午前中にオープニングセッションを行いました。最初に学部長挨拶の後、事務手続きを行いました。その後、本学理工学部社会基盤・環境工学コースの伊藤教授が岩手大学理工学部を紹介するとともに、水インフラである上下水道施設の役割や維持管理に関する課題などについて説明しました。次に、本学部機械知能航空コースの小山助教が水中ロボットとその水インフラ維持管理への応用などについて説明しました。

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伊藤教授と小山助教による水インフラと水中ロボットの説明

午後は学内の施設を見学した後、学内公開シンポジウムとして、THATCHAPOL CHUNGCHAROEN准教授に加え、同時期にタイから招へいした2名の教員による講演会を開催しました。バイオチャーを用いた廃水中重金属の吸着除去に関する研究や、その統計解析による最適化に関する研究、バイオチャーを用いたバイオディーゼルの精製に関する研究について情報共有を行いました。その後、文化交流として日本人学生も交えてタイ料理と日本料理を調理し、意見交換会を兼ねた夕食会を実施しました。

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文化交流会の様子

<3日目>

盛岡市の水道施設(水源、取水施設および浄水場、自家発電設備)と水道記念館を見学し、上水道施設の歴史や仕組みを理解してもらいました。また、米内浄水場の緩速ろ過池での水中ロボットによるろ過池の洗浄手法の開発に関する研究の様子を見学してもらいました。小山助教とその指導学生にろ過池での水中ロボットの移動を実演してもらいました。

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米内浄水場での水中ロボットによる緩速ろ過池洗浄に関する研究の見学

午後は昼食後に文化施設として盛岡八幡宮を見学しました。その後、水道配水管の施工現場、新庄浄水場(急速ろ過および活性炭処理)および配水池を見学してもらいました。緩速ろ過方式と急速ろ過方式の違いや活性炭処理の役割について理解を深めました。最後に上水道施設に関する課題抽出や解決策に関する議論を行いました。

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配水管の施工現場と急速ろ過池の見学

<4日目>

岩手県の都南浄化センター(下水処理場)を見学し、下水処理と汚泥処理(消化ガス発電を含む)の原理を理解してもらいました。また、下水汚泥分離液からの肥料元素類(P、NH4-N、K)の回収・濃縮による液肥原料の生産技術開発に用いている電気透析装置を見学してもらい、下水道資源の有効利用について理解を深めてもらいました。その後、バイオチャーを用いた吸着実験のための下水処理水を採取しました。

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電気透析装置の見学

午後は岩手県流域下水道の中川汚水中継ポンプ場および下水管橋の見学を行い、中継ポンプの役割と維持管理について理解を深めました。見学後は研究室の学生を交えながら大学において、タイで作成したドリアン殻由来のバイオチャーを下水処理水に加えて吸着実験のための振とうを行いました。最後に下水道施設に関する課題抽出や解決策に関する議論を行いました。

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吸着実験の様子

<5日目>

下水処理水とバイオチャーを混合して振とうした試料中の抗菌薬を分析するための前処理(ろ過や固相抽出など)を行い、午後は農学部の石川教授の指導の下、液体クロマトグラフタンデム質量分析装置を用いた抗菌薬の分析を行いました。その後、分析濃度から抗菌薬の除去率を算出し、分析結果の発表を行うとともに考察を行いました。また、バイオチャーを用いた研究の今後の展開について議論し、今回のプログラムの総括を行いました。

最後に修了式を行い、修了証書を授与し、集合写真を撮影してプログラムを終了しました。

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抗菌薬分析のための前処理の様子

<6日目>

午前に盛岡駅を出発し、午後に上野の国立科学博物館を見学した後、帰国のために成田空港へ移動しました。復路については送迎を旅行代理店に委託しました。

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研究室の学生も交えた記念撮影