2025年度 活動レポート 第14号:高崎健康福祉大学

2025年度活動レポート(一般公募プログラム)第14号 (Aコース)

迅速・最適な災害支援の探求 ― 先端テクノロジー利用による持続可能社会の創造

高崎健康福祉大学からの報告

2025年10月18日から10月25日まで、ベトナム ホーチミン医科薬科大学より学生8名(公衆衛生学3名、薬学3名、医療看護技術学2名)を招へいし、「迅速・最適な災害支援の探求 ― 先端テクノロジー利用による持続可能社会の創造」をテーマに交流プログラムを実施しました。
 本プログラムは、自然災害が多い日本で発展してきた災害支援に関する科学技術を学び、医療、福祉の関わりと参加学生それぞれの専門分野と結びつけながら、自国で起こり得る災害への理解と対応力を高めることを目的として実施されました。

【講義・演習】

避難時や非常時に関する情報提供で有用なAI技術を活用したチャットボットビルダーや、画像解析、上空からの捜索に用いられるドローンの応用、避難所生活を想定した身体ケアといった科学技術に関する特別講義や演習を行ったほか、災害ボランティアセンター立ち上げと運営に関するノウハウ、医療・福祉の専門家として災害支援に携わった本学教員からの講義、災害支援ボランティア経験学生の発表など、医療情報学科、社会福祉学科、健康栄養学科、看護学科、薬学科、生物生産学科の教員から本テーマについて多面的に学ぶ機会となりました。

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ドローンシミュレーション
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姿勢解析と身体ケアの実演

【視察】 

本県の基幹災害拠点病院であり、DMAT(災害派遣医療チーム)ドクターヘリを備える前橋赤十字病院の視察では、DMATの任務について講義を受け、災害時の備えを実際に見学したほか、任務から帰還したドクターヘリを間近に見た際には招へい者一同から歓声があがりました。また、利根川下流の洪水災害を軽減してきた八ッ場ダムでの現地学習では、その歴史や規模、使用されている技術についての説明に真剣に聞き入っていたことが印象的でした。

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八ッ場ダムにて
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DMATドクターヘリ

【プロジェクト】

最終日は、1週間で学んだ知識や技術を関連付け、自国のニーズに合わせた災害支援(予測・対応・回復・再発防止)を計画しました。特定の地域での洪水を具体的に想定し、高台までの避難ルートの表示、避難場所の確保や必要となる人員や物資、病院、ボランティアの運営など、多職種で連携しながらチームプロジェクトとしての効果を示す等、実りある発表とディスカッッションとなりました。

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最終プレゼンテーション

【学生交流・文化体験】

来日中は、日々の食事、買い物の他、秋空のもと、草津温泉を散策したり、初めての足湯を体験したりして、本学学生と大いに交流しました。さらに、2泊の学生宅ホームステイでは、一緒におにぎりを作ったり、たこ焼き、鍋パーティーをしたりと、各家庭でのあたたかいおもてなしを受け、日本の生活スタイルや文化習慣を実体験しました。日本人の親切さに触れ、学生やその家族と親交を深められたことが一番の思い出だという招へい者の声は受け入れ側の私たちにとって大変嬉しい言葉でした。
 今後も、さらなるプログラムの充実を図り、提携大学との親交を深めていきたいと思います。

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草津温泉で足湯体験