2024年度 活動レポート 第1グループ:宇宙航空研究開発機構(JAXA) / 産業技術総合研究所(AIST)

さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第1グループ

JAXAと産総研で宇宙開発や最先端科学技術を学ぶ

 4月18日(木)、SSHP第1グループとして来日中の、中国、フィリピン、ブータン、ガーナ、ザンビア、ナイジェリアの高校生たちは、2班に分かれてJAXA(宇宙航空研究開発機構筑波宇宙センター)と産総研(産業技術総合研究所)を訪問しました。

 JAXAでは「きぼう」(日本開発の国際宇宙ステーション実験棟)の運用管理室(リアルタイムで24時間体制)をはじめ、「宇宙飛行士養成エリア」の訓練施設を見学。また人気の展示館「スペースドーム」では、「きぼう」の実物大モデルや燃焼試験で使われた本物のロケットエンジンを目の前にして、高校生たちは遠い宇宙に思いを馳せていました。ザンビアからの高校生は、「このような施設は初めて訪れた。宇宙開発の現場に触れることができ、とても刺激的でまるで宇宙飛行士になった気分」と目を輝かせていました。なお、施設見学もさることながら、高校生たちはJAXAグッズショップにも興味津々で、なかでも宇宙食は「ここでしか買えないからとても貴重」と友達のお土産用に人気の的でした。

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 産総研では紹介ビデオを見た後、「燃料電池の実験教室」を体験しました。主任研究員の安藤尚功博士から「燃料電池は水素と酸素を化学反応させて発電するシステムで、排出するのは水のみのクリーンエネルギー」といったレクチャーがあり、さらに発電の仕組みについてもわかりやすい解説がありました。そしていよいよ実験に挑戦です。グループごとの机には燃料電池の実験キットが用意されており、このキットを組み立てて最後に水素ボンベから水素を供給すると、電動ファンが回転して発電したことがわかるという仕組みです。高校生たちはマニュアルを何度も確認したり、細かい作業にはピンセットを使ったり、安藤主任研究員からのアドバイスも受けながら慎重に組み立てていきます。そして最後には、どのグループも無事に発電に成功しました。

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 CO2を排出しない燃料電池に関しては高校生たちの関心度も高く、実験後の質問時間には次々と手が上がり、
「燃料電池の材料に廃棄物を利用することは考えられないか?」「製造過程は液体のみで固体のものは使わないのか?」など、体験教室が終わった後も熱心に質問したり、メモを取ったりする姿が印象的でした。

 続く「サイエンス・スクエア」では、産総研がこれまでに開発してきた技術や最先端科学技術ついて学び、アザラシ型セラピーロボット「パロ」のコーナーでは、「可愛い」と頭をなでながら一緒に写真に収まりました。

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 ちょうど満開の八重桜にも大喜び。大満足のサイエンスツアーになりました。

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