さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第1グループ
東京理科大学で数理科学の魅力に触れる
第1グループ2日目の4月16日(火)。中国、フィリピン、ブータン、ガーナ、ザンビア、ナイジェリアの高校生67名と引率者9名、総勢76名は、東京理科大学を訪問しました。
牧内博幸国際化推進センター長から大学の概要や理化学の歴史について説明を聞いた後、工学部機械工学科山本誠先生の「流体力学入門~飛行機はなぜ飛べるのか?~」(Introduction to Fluid Dynamics~Why can airplane fly?~)と題した模擬講義を受けました。「流体とは気体と液体の総称です」、「流体力学は質量と運動量とエネルギーの保存の法則によります」と、基礎から専門的な知識を分かりやすく紹介し、高校生は興味津々。風船とドライヤーを使った揚力の実験では、会場中に鮮やかな風船が浮かびました。「飛行機のデザインと流体の動きの関係は?」等の質問に、「それは良い質問だよ。大学に行ってから詳しく学んでほしい!」と、先生も高校生たちの知識の高さに驚いていました。
模擬講義の後は、世界でもトップレベルの火災科学実験センターの実験棟を見学しました。ここは、近年発生件数が増え、被害が大規模化する火災について実験する施設です。松山賢所長から建設の経緯や施設の概要について説明を受けた後、2班に分かれて見学しました。実際に火を扱った実験に高校性たちはびっくり。「この建物が火事になったりしないの?」と心配する高校生もいました。
午後は、神楽坂キャンパスで秋山仁先生による「数学のおかげ!」(Thanks to Math!)と題した授業です。秋山先生と言えば、様々な道具を使い楽しく数学を解説してくれるので有名です。長髪にトレードマークのバンダナで登場した先生は、まず各国の言葉で高校生たちにあいさつ。一瞬にして皆の心を掴みました。「紙テープを使った恋占い」(位相幾何学)、「カードを使った数当てゲーム」(誤り修正符号理論)等、この日も、数学がいかに私たちの生活に役立っているかを分かりやすく紹介してくれました。
授業の後は、校内にある数学体験館と近代科学資料館を見学。ビリヤードで楕円の原理を試したり、形の違う3本のスロープにボールを転がして速度を競う等、ゲーム感覚で数学理論を学べるとあって、夢中で様々な実験にチャレンジしていました。
野田キャンパスから神楽坂キャンパスへと大移動の一日でしたが、数理科学の楽しさに魅了された一日となりました。