2024年度活動レポート(一般公募プログラム)第86号 (Aコース)
理系女性人材育成に向けた探求心を養う体験交流プログラム
お茶の水女子大学からの活動レポート
2025年1月26日から2月1日まで、インドのPSGRクリシュナマル女子大学の学部生7名と教員1名を招へいし、「理系女性人材育成に向けた探求心を養う体験交流プログラム」を学内で実施した。
本プログラムは、ライフサイエンス分野における講義や実験等の科学技術体験、身近な素材を活用した理科実験を通じた科学への知的好奇心向上を目的とした。また、同一キャンパス内にこども園を有する本学の特性を活かし、園児や学生との異文化交流の機会も積極的に盛り込んだ。
【科学的探究心を育てる学び】
「幼児教育とサイエンス」に関する講義を受けた後、文京区立お茶の水女子大学こども園で「いつもの遊びの中にあるSTEAM」を体験した。コマ回しや習字、風のデバイス「フライングラボ」を使用した実験など、園児との交流を楽しみながら、遊びの中で科学への関心を育てる手法を学んだ。

【実験・研究室見学】
減数分裂と受精の意義と仕組みに関する講義を受け、ヒトデの減数分裂と受精を観察する生物学実験を行った。他にも、植物の二酸化炭素吸収測定実験や風力発電実験、研究室見学を行った。また、理科実験サークルの学生とともに、酸とアルカリの反応、分光、ポリマーの3つのテーマで、身近な材料を用いた理科実験を行った。実験を通じて本学の学生と交流を深めつつ、目の前で起こる現象に対して疑問を抱く感性を磨いた。

【日本文化体験】
本学学生サークル団体の協力のもと、箏曲や書道などの日本文化を体験した。サークルの学生による箏の演奏を聴き、実際に「さくらさくら」の一節を弾く体験を通して、箏の音色を楽しんだ。書道体験では、分からないことについてサークルの学生等に積極的に質問して交流しながら、熱心に取り組んでいた。

【プログラムの成果】
成果報告会では、本プログラムで初めて来日して得られた学びについて、振り返りを行った。科学においては実験や実習を通じて、実際に手を動かすことの大切さを学んだことや、日本での生活や文化に関する学びなども含めて、各自がプレゼンテーション形式で発表した。事後アンケートでは、「大変満足した」「より日本が好きになった」「学生または研究者としてまた日本に来たい」といった感想が寄せられた。招へい者の大学には、日本の大学の協定校がなく、日本人学生は在籍していなかったが、日本での科学技術体験や様々な日本人との交流を通じて、日本への理解や関心が高まる良い機会になったことが確認できた。
さらに、本プログラムがきっかけとなり、PSGRクリシュナマル女子大学と本学は2025年5月に協定を締結した。今後は、サマープログラムや交換留学などで、学生や教職員の交流をより一層加速させていきたい。
