2024年度 活動レポート 第77号:大阪大学

2024年度活動レポート(一般公募プログラム)第77号 (Aコース)

日越の半導体デバイス研究者としての未来を担う若手グローバル人材育成

大阪大学からの報告

2025年1月、ベトナム国家大学ハノイ校科学大学附属高等学校(HSGS)から生徒7名、教職員1名の計8名を招へいし、半導体に関する最先端の研究をテーマにしたA. 科学技術体験コースを実施した。加えて、HSGSと国際共修を過去数年間実施している兵庫県立兵庫高等学校(兵庫高校)から生徒11名、教員1名を招いて部分的に本プログラムに参加してもらった。日越の高等教育機関での学生・学術交流を促進するとともに、将来に渡る国際共同研究パートナーとして共に学び、相互理解を深めることを目的とした。

【1月17日】

来日前の事前交流として、オンライン交流会を実施した。ここでは、自己紹介や半導体に関する予備学習を実施した。兵庫高校の生徒も参加した。

【1月19日】

HSGSの御一行が来日。来日直後のオリエンテーションを行った。

【1月20日】

大阪大学豊中キャンパスにて、理学部の紹介、茶道体験を実施した。大阪大学理学部の学生にも参加してもらい、理学部の紹介や留学生と日本人学生との日常的な学生交流についても紹介し、ランチを共にした。HSGSの生徒から多くの質問があり、とても有意義な時間となった。その後は大阪大学茶道部の協力のもと、茶道体験を実施した。着物姿の学生が実施する「お点前」にHSGSの生徒たちは感激していた。実際にお茶をたてるなど、日本の伝統文化を体験し肌で感じることで、日本への親近感を深めてもらえたと考えている。

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茶道体験の様子

【1月21日】

半導体分野の基礎研究を行っている4つの研究室を訪問した。午前は大阪大学の吹田キャンパスの研究室ツアー、午後は兵庫高校の生徒と共に豊中キャンパスの研究室ツアーを実施した。各研究室にて、研究紹介や装置紹介をしていただいた。実際に実験装置を触る機会や教授と意見交換する機会もあり、体験と学びが盛り沢山の内容であった。特に、午後の兵庫高校との研究室ツアーでは、始めは消極的だったが、徐々に互いにコミュニケーションをとる姿が見られ、日越間での学生交流の第一歩となった。

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吹田キャンパスの研究室ツアーの様子
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豊中キャンパスの研究室ツアーの様子

【1月22日】

午前は、化学の模擬実験を体験して大阪大学理学部での教育環境を体感してもらった。午後は大阪大学日本語日本文化教育センターを訪問し、日本語教育の環境の高さを実感してもらった。双方ともに、理学部の留学生たちがサポートし、大阪大学での日常生活について意見交換するなど、活発な学生交流の機会となった。

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化学の模擬実験の様子

【1月23日】

午前は、大阪大学の学生とともに適塾へ訪問した。適塾は大阪大学の沿革についての資料が展示されている日本の重要文化財として知られている。大阪大学の歴史の理解を深めながら日本の伝統的な建築物も見学することができた。午後は、兵庫高校の生徒と共に、近隣の企業(ダイキン工業株式会社)へ訪問した。研究環境について説明を受け、企業内も案内してもらった。日本の企業研究の質の高さを体感することができた。

【1月24日】

午前は、理学部・理学研究科の留学生6名より、大阪大学理学部を留学先に選んだ理由、大学生活、研究生活についての紹介が行われた。HSGSの生徒たちは興味津々に話を聞き、多くの質問が飛び交い、活発な議論が行われた。午後は、兵庫高校の生徒も加わり、双方の学校紹介をするなど交流を深めた。夕方より大学の食堂にて意見交換会を実施し、大阪大学の学生や教職員、兵庫高校の生徒と大いに談笑した。HSGSによる伝統的なダンスが披露され、異文化交流と理解を深める場となり、大盛況となった。

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学生交流会の様子

【1月25日】

帰国するHSGSの招へい者たちを、関西国際空港まで見送った。