2024年度活動レポート(一般公募プログラム)第74号 (Aコース)
キルギス共和国若手研究者との研究交流
化学関連分野のダイバーシティ研究環境を推進するための若手交流プログラム
熊本大学大学院先端科学研究部からの報告
熊本大学大学院先端科学研究部の超分子化学研究室が主体となり、2024年12月18日から24日まで「化学関連分野のダイバーシティ研究環境を推進するための若手交流プログラム」と題して実施した学術・学生交流の活動を報告します。本プログラムでは、中央アジアのキルギス共和国(Kyrgyz Republic)のキルギス・トルコ・マナス大学(Kyrgyzstan-Turkey Manas University)から若手教員2名、大学院生2名、またキルギス共和国国立科学アカデミー(National Academy of Sciences of the Kyrgyz Republic)の若手科学者会議(Council of Young Scientists)から4名の若手研究者を熊本へ招へいし、本学の若手研究者および大学院生、留学生らを交えた様々な交流・体験プログラムを企画、実施しました。
【若手研究者交流およびグループワーク】
キルギス共和国からの招へい者に加え、留学生(ジブチ共和国、トルコ共和国など)を含む熊本大学の学部生、大学院生が自己紹介をかねたショートスピーチを行いました。続けて、本学の国際交流担当副学長より、熊本大学の紹介ならびに本学とキルギス共和国とのこれまでの国際交流活動について紹介しました。参加者が5〜6名でグループをつくり、「自然エネルギーの利用と課題」をテーマに多様な自然エネルギーを利用した発電システムと環境負荷などの課題について議論し、その課題解決へ向けた意見交換も実施しました。ジェンダー、国籍、専門分野の異なるメンバーによる活発なディスカッションが行われ、グループワーク終了後に各グループの議論のまとめと提案について発表してもらいました。


【研究室訪問および先端科学講義】
熊本大学の大学院先端科学研究部超分子化学研究室、ヒトレトロウイルス学共同研究センターならびに熊本県産業技術センター材料・地域資源室の施設、研究室を見学するとともに、本学の教員、若手研究者による先端科学講義を開催し、日本の先端科学について紹介しました。キルギス共和国からは、化学、食品学、地質学など幅広い専門分野の研究者を招へいしており、招へい者全員にそれぞれの研究内容についてショートプレゼンを行ってもらいました。キルギス特有の自然(地質、天候など)や食品(発酵、馬乳など)に関連する科学についての紹介があり、日本側参加者も興味をもって聴講していました。


【科学・文化体験プログラム】
熊本大学キャンパス内にある重要文化財・五校記念館(旧第五高等中学校 本館)を訪問し、明治時代の教室や展示物など、日本の近代化を支えた教育施設を見学しました。また、阿蘇エリアならびに阿蘇火山博物館の訪問、熊本県立博物館ならびに熊本城の訪問を通して、日本・熊本の自然や文化を体験してもらいました。阿蘇はあいにく天気が悪く、火口を直接見学できませんでしたが、火山博物館内のシアターでカルデラの成り立ちや阿蘇の自然について理解を深めることができました。滞在先から徒歩圏にある熊本城では、城、石垣などの土木・建築様式など日本の伝統と技術を学ぶことができるだけでなく、熊本地震からの復興の様子を間近に見学できるため、大きな関心をもって見学していただけたと思います。

最後に熊本大学五校記念館の中を見学し、同館の教室でグロージングセレモニーを実施した後、招へい者を交えてフェアウェルパーティーを開催し、本プログラムを終了しました。