2024年度活動レポート(一般公募プログラム)第62号 (Aコース)
SDGsを達成する電磁機械の開発のための
日本・台湾ローカル大学の研究の交流・促進及び大学院生共同教育への推進プログラム
公立諏訪東京理科大学からの報告
2025年2月11日から2月17日までの7日間、JSTさくらサイエンスプログラムにより、台湾国立勤益科技大学から学部生3名と引率者1名、台湾国立中山大学から大学院生3名と引率者1名、合計8名を招へいし、「SDGsを達成する電磁機械の開発のための日本・台湾ローカル大学の研究の交流・促進及び大学院生共同教育への推進プログラム」というテーマのもと、研究交流および日本技術体験を実施いたしました。
【事前オンラインでの打ち合わせ】
学生と教員が相互の報告内容をより理解するため、事前にオンラインで情報交換を行いました。また、国際交流センターのスタッフを交え、来日に向けた準備について説明しました。
【教員・学生研究内容の発表】
来日後、教員は大学の代表として特別講義を行い、各大学の先端研究の動向、個人の研究成果、研究室の特徴などについて説明しました。招へいした大学生(共同チーム)や大学院生、本学の大学院生は、それぞれの研究テーマや現段階までの研究成果を発表し、学生同士がお互いの発表に熱心に耳を傾けたり、質問したりして、相互の研究内容への理解を深めました。この研究発表を通じて、研究内容だけでなく、プレゼンテーションのスキルについても学び合いました。

【研究室見学・ゼミ生との交流】
研究室を訪問し、大島先生が電磁機械の開発状況や進捗について説明しました。また、実験を行っているゼミ生は、招へい者に対して英語で進行中の実験を丁寧に説明しました。同じ機械電気の他の教員研究室も見学しました。招へい者は日本の大学の研究環境や研究スタイルを実感しました。

【企業見学】
プログラムの一環として、諏訪地域のものづくり企業を見学しました。機械分野に関わる招へい者は、技術的な視点からさまざまな質問をしました。現場の見学を通じて、日本の工作機械メーカーと台湾のメーカーの違いを深く理解しました。また、ローカル企業が競争力を高めるためには、技術だけでなく、マーケテジング戦略も重要であることを学びました。

【先進技術体験・見学】
SDGsの達成に貢献する電磁機械の開発は本プログラムの一環であるため、山梨県立リニアセンターと未来科学館を見学しました。招へい者は日本の鉄道技術と未来へ向けた科学の進歩に深く感銘を受けた様子でした。

【修了証授与式・交流会】
短期間ではありましたが、台湾の国立勤益科技大学と国立中山大学の学生・大学院生・教員との交流が深まり、招へい者にとっても本学の教員・学生にとっても有意義なプログラムとなりました。

修了式・交流会では、招へい者から「このプログラムを通じて、教員・学生同士が研究内容を相互に理解し、学び合う機会となっただけでなく、異なる文化的背景を持つ学生同士が直接交流し、意見を交換できたことが、とてもよかった」「初めて日本に来た私にとって、限られた時間の中で、さまざまな体験ができ、新鮮なことばかりでした。また日本に来たい」などの感想をいただきました。また、国立勤益科技大学の引率教員とは、次年度における両大学の学生のインターンシップの相互受け入れと企業との調整について、国立中山大学の引率教員とは、将来的な両大学のMOU提携に向けた働きかけについて、それぞれ協力することに合意しました。
初めて研究室単位でこのプログラムに参加し、台湾の教員や大学生、大学院生と密接に交流を深めることができました。今後も研究室間における教員・学生の多様な交流を継続するとともに、これを契機に台湾の国立勤益科技大学および国立中山大学全体との交流を一層拡大していきたいと考えています。
この場をお借りして、今回のさくらサイエンスプログラムにご協力いただいた関係者の皆様に心より感謝申し上げます。