2024年度 活動レポート 第44号:熊本大学

2024年度活動レポート(一般公募プログラム)第44号 (Aコース)

モンゴルの学生がAIと半導体分野に関する日本の科学技術を学ぶ

熊本大学
教授 北 直泰さんからの報告

 令和7年1月6日(月)から10日(金)の期間に、さくらサイエンス・プログラム(SSP)を熊本県にて実施しました。モンゴル科学技術大学・応用科学部から引率の教員1名と学生7名が参加しました。事前に参加者の学術的な興味を尋ねると、皆が応用数学を専攻していて「統計に興味がある」とのこと。本プログラムの目的「機械学習と半導体」について面白みを感じてもらえるのか一抹の不安が過りました。

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熊本大学のシンボル五高記念館の前で集合写真

【1月6日】

 モンゴルから招へい者8名が福岡空港に到着。実施主担当者の北が出迎え、高速バスで熊本市内のホテルへ移動しました。

【1月7日】

 熊本大学・黒髪キャンパスにて「SSPのガイダンス」を行った後、「機械学習に関わるニューラル・ネットワークのプログラミング作業」を行いました。講義一辺倒ではなく、Excelによるプログラミング作業主体の授業だったことが功を奏して、眠そうにしている学生はいませんでした。ほっと一安心。誤差関数(損失関数)で最小値を叩き出した学生には後に表彰状を贈呈しました。

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機械学習Excelプログラム

【1月8日】

 「半導体クイズ」を実施し、半導体が何故太陽光発電に使用されるのか、熊本県に半導体工場が集まるのは何故か、半導体で盛り上がっている菊陽町で問題になっていることなどを三択クイズ形式で学生に出題。最多正解者に表彰状を贈呈しました。半導体の洗浄ではきれいな水が大量に必要です。午後には熊本市立水の科学館を見学し、熊本が「水の国」と言われる由縁を探索しました。秘密を解くカギは阿蘇山にあり!学生達はこの施設の実験室で水の不思議を体験しました。

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音を奏でるグラスに挑戦

【1月9日】

 苓北発電所(熊本県 天草市)を訪問し、苓北発電所の発電量と石炭による火力発電のしくみ、CO2の排出抑制のために木材バイオマスの活用、太陽光発電の取り組みなどについて学びました。発電所建屋内の見学では、長さ15m程度のタービン2機で、熊本県の電力需要の55%を賄っていることに驚きを感じました。

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苓北発電所の職員さんによる説明

 また、オーストラリアやカナダで採掘される石炭の塊がまるで岩のように大きいことに驚愕。モンゴルでも石炭を利用して、空気で蒸気を冷やす空冷方式で火力発電が行われていますが、苓北発電所では海水で蒸気を冷やす水冷方式が採用されているため、天草の海沿いに建設されていることについても理解を深めました。

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海外で採掘された石炭の塊

【1月10日】

 SSPの修了証を招へい者に手渡し、熊本空港へ移動。再会の誓いとともにお別れの挨拶をして、本プログラムは終了しました。