2024年度活動レポート(一般公募プログラム)第39号 (Aコース)
スポーツ健康データ分析を入り口とする日印のグローバルIT人材育成輩出に向けたプラットホーム構築プロジェクト
愛媛大学からの報告
期間:2024年12月16日~22日(7日間)
受入機関:愛媛大学社会共創学部山中研究室
送出機関:インド工科大学ハイデラバード校(IITH)
■目的と概要
本プログラムは、インド工科大ハイデラバード校(IITH)の学生と教員が来日し、スポーツ現場におけるデータ解析を通じて実務や課題を理解し、技術開発に繋がる研究アイデアを構築することを目的としました。愛媛県内のプロスポーツチームや地域の取り組みを視察し、健康スポーツデータの収集方法や課題、先端技術の方向性について理解を深めました。また、現場従事者や行政との対話を通じ、スポーツデータ解析の必要性や可能性について議論しました。
■実施内容
1. フィールドワーク
愛媛県内のプロスポーツチームを訪問し、現場でのデータ活用を観察しました。
バスケットボール(愛媛オレンジバイキングス)
試合や練習におけるデータ収集方法をスタッフと議論。選手のパフォーマンス分析や戦術決定におけるデータの役割、リアルタイム分析ツールの活用方法を学びました。
サッカー(FC今治)
メディカル・フィジカルコーチとともに、選手の体調管理や怪我予防のためのデータ活用を学びました。また、スタジアム施設やセンシング設備を見学し、スポーツデータ収集のためのインフラ整備の重要性を確認しました。

フロントスタッフとのディスカッション

メディカル・フィジカルスタッフとのディスカッション

2. インタビュー
愛媛県庁で、地域のスポーツとIT人材育成に関する取り組みを学びました。愛媛県が推進する「トライアングルえひめ」プログラムを通じ、外国人高度人材の受け入れや国際協力の可能性について理解を深めました。これにより、スポーツ分野でのデータ解析が地域の国際化や技術発展に貢献することを確認しました。

3. スポーツアクティビティ
IITHと愛媛大学の学生が合同でスポーツを行い、異文化交流を体験しました。この活動を通じ、チームワークやコミュニケーションスキルを高めるとともに、スポーツを通じた国際的な連携の重要性を実感しました。

■成果
1. データ解析リテラシーの向上
現場でのデータ収集と分析方法を直接学ぶことで、スポーツ分野におけるデータ活用の実際を深く理解しました。選手のパフォーマンス向上や戦術最適化のためのデータの重要性を認識しました。
2. データサイエンスとスポーツの融合
IITHの学生は、スポーツデータ解析が選手の健康管理やパフォーマンス向上にどのように寄与するかを学びました。これにより、研究における新たな視点を得るとともに、今後の技術開発の方向性を見出しました。
3. グローバルIT人材育成
異文化交流を通じて、グローバルな視野を持つIT人材育成の重要性を再認識しました。インドと日本の学生が協働することで、国際的なネットワークが形成され、IT分野での協力の可能性が広がりました。
4. 地域の国際化促進
愛媛県のスポーツ資源を活用した活動が、地域の国際化とスポーツ技術の発展を促進する可能性を確認しました。プロスポーツチームと地域のIT人材が連携することで、新たな価値が創出されることが期待されます。
5. 産官学協働の推進
スポーツとデータサイエンスを融合させた取り組みが、地域活性化や技術開発に寄与することを確認しました。インドと日本の地方都市が連携することで、革新的な研究や開発が進む可能性があります。
■まとめ
本プログラムを通じて、スポーツデータ解析の実務理解や技術開発の方向性について重要な知見を得ました。また、スポーツとデータサイエンスの融合に関する研究の可能性を見出し、地域資源を活用したグローバルな連携の意義を再認識しました。今後も産官学協働を拡大し、スポーツとデータサイエンス分野での共同研究を進めることで、地域の発展と国際協力を促進していきたいと思います。