2024年度活動レポート(一般公募プログラム)第25号 (Aコース)
持続可能な先進材料と関連技術の研究開発に関する体験学習
茨城大学 工学部国際交流委員会
委員長(教授)柳平 丈志さんからの報告
2024年10月6日~10月12日の期間、ベトナムのハノイ自然科学大学から5名の学生と1名の引率教員を招へいし、本学工学部において短期研修プログラムを実施しました。本プログラムでは、招へい学生に対して先端的な研究開発に触れる機会を提供し、また本学の学生と相互に交流を深めることを目的として、以下の内容を実施しました。
【セミナー】
「持続可能性」を共通のキーワードとして、工学部の6名の教員が講義を行いました。カーボンニュートラル燃料、半導体材料、熱電変換、バイオ先進材料、人工知能、構造物のヘルスモニタリングのトピックについて、これらの先進材料やエネルギー技術、開発支援技術、インフラ維持管理技術が、地球規模の課題解決にどのように貢献できるかを解説し、学生たちは積極的に質問していました。講義内容に関連した研究設備の見学や体験型の実験デモも行い、学生たちが研究開発の楽しさや価値を実感できるように努めました。
【研究討論会】
ベトナムと日本の学生が、自身の研究を発表して議論を交わしました。卒業研究に対する取り組み方などの話題も出て、双方の学生にとって刺激的な討論会になりました。共同研究の可能性も探りました。
【文化交流体験】
日本伝統の文化である、折り紙や書道の体験を通じて交流しました。また、学生たちは休み時間にカフェテリアでも交流の輪を広げていました。最終日には東京都文京区の根津神社にお参りして、大勢の参拝客で賑わう縁日の様子を楽しみました。
【見学会】
J-PARC(大強度陽子加速器施設)の物質生命科学実験施設およびニュートリノ実験施設、国営ひたち海浜公園、日本科学未来館を見学させていただきました。
今回のプログラムに対して参加者から高い評価が得られました。主な意見は以下の通りです。
- 気候変動や持続可能な開発といった地球規模の問題に対する理解が深まり、最新の研究動向に触れる貴重な機会となった。
- 日本の研究がイノベーションを牽引しており、世界の科学技術の発展に大きく貢献していることを実感した。
- 日本の研究は、理論だけでなく、現実世界の問題解決に貢献する実践的な側面が強いと感じた。
- 日本で学びたい、働きたいという意欲が高まった。
また、日本の印象について、次のようにも述べていました。
- 日本人の親しみやすさ、協力的な姿勢が印象に残った。
- 日本の交通システムは、間違いなく私が遭遇した中で最も効率的なものの一つです。時間厳守、正確さ、規則の遵守は印象的でした。
- 日本の料理は、味と芸術性の見事な融合です。寿司からラーメンまで、すべての料理は料理の喜びだけでなく、視覚的な傑作でもありました。
本プログラムは、両国の学生にとって、貴重な学びの機会となりました。今後も、このような国際交流活動を継続することで、友好関係をさらに深め、共に世界の課題解決に取り組んでいきたいと願っています。
本プログラムの実施にあたり、ご支援頂いた国立研究開発法人科学技術振興機構、並びにご協力いただいた関係各位に、心より感謝申し上げます。